看護師の転職に良い時期は?いつがいい?退職の申し出・賞与・有給・入職日の決め方
看護師の転職に「良い時期」は決まっている?

決まっていません。退職や入職の時期について法律が定めているのは、退職の申し入れから雇用が終わるまでの期間や、有給休暇・社会保険の扱いなどの「ルール」です。どの月に転職すると有利かは、その人の職場の規程や家庭の事情で変わります。
そのため、この記事では「求人が多い時期」ではなく、自分の条件から時期を決める考え方を順番に整理します。看護師の場合、次の点が時期に影響しやすくなります。
- 退職の申し出 — 就業規則に「退職は〇か月前までに申し出る」と書かれていることが多い
- お金 — 賞与の支給日と支給の条件、退職金の勤続年数、奨学金・修学資金の返還免除の条件
- 休み — 今の職場に残る有給休暇と、転職先で有給休暇が付くまでの期間
- 保険と税 — 退職日と入職日の間に空白があるか。年をまたぐか
- 受け入れ — 転職先のオリエンテーションや研修、夜勤に入るまでの段取り
退職はいつまでに申し出ればいい?
期間の定めのない雇用(いわゆる正職員)なら、民法では、退職の申し入れの日から2週間で雇用が終わります(第627条第1項)[1]。期間の定めのある雇用(契約期間のあるパートや契約職員)は、期間の途中で辞めるには原則として「やむを得ない事由」が必要です(第628条)。ただし、契約期間が1年を超える場合、1年を過ぎた後はいつでも退職を申し出られます(一部の例外を除く)[2]。
実際には、多くの職場が就業規則に退職の手続きを定めています。厚生労働省の案内も、事前に申し出ることと、就業規則を確認することを勧めています[2]。看護師はシフトで勤務を組むため、就業規則の時期に合わせて早めに伝えるほど、引き継ぎや勤務の調整を進めやすくなります。誰に、どの順番で伝えるかは看護師の退職の伝え方にまとめています。
賞与・退職金は退職日でどう変わる?
賞与(ボーナス)は法律で支給が義務付けられたものではなく、支給の有無や条件は職場の就業規則・賃金規程で決まります。「支給日に在籍している人に支給する」と決めている職場では、支給日より前に退職すると受け取れないことがあります。詳しくはボーナスをもらって転職するタイミングで解説しています。
退職金も、制度があるかどうか、何年勤めると対象になるか、勤続年数で額がどう変わるかは職場の規程次第です。退職日を数か月ずらすと条件が変わることがあるため、賃金規程・退職金規程を先に確認しておきます。受け取るときの税金は退職金の税金の計算方法を参照してください。
病院や自治体の奨学金・修学資金を借りている人は、「一定期間勤めると返還が免除される」といった条件の残りの期間も確認します。考え方は看護師の奨学金を返済前に転職できる?にまとめています。
有給休暇は退職前に使える?転職後はいつから付く?
今の職場の有給休暇は、退職日までなら使えます。労働者が請求した時季に休暇を与えるのが原則で、使用者が時季を変えられるのは事業の正常な運営を妨げる場合に限られます(労働基準法第39条第5項)[3]。厚生労働省の解説では、退職日に有給休暇の権利は消滅し、退職前に残りをすべて取得する申請があった場合は、原則として認めることになるとされています[4]。
一方、転職先では有給休暇が新たに数え直しになります。労働基準法では、雇入れの日から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤すると、10日の有給休暇が付きます(第39条第1項)[3]。入職直後に子どもの行事や通院の予定がある人は、それも時期を選ぶ材料になります。入職してすぐ有給休暇を付ける職場もあるため、転職先の就業規則で確かめてください。
退職日をいつにするかは、最終出勤日+残っている有給休暇の日数で考えると、引き継ぎの日程も組みやすくなります。
退職日は月末と月の途中でどう違う?

健康保険と厚生年金は、退職日の翌日に資格を失い、保険料は資格を失った日の属する月の前月分までかかります。月末に退職すると資格を失う日は翌月1日なので、退職した月の分まで保険料がかかり、給与の締め日によっては最後の給与から2か月分が引かれることがあります[5]。
月の途中で退職すると、その月の今の職場の保険料はかかりません。ただし、その月のうちに次の職場の保険に入らなければ、国民健康保険と国民年金の手続きが必要です。退職日の翌日に入職するなら空白はできません。月末退職と月の途中退職の違いは退職月の社会保険料はどうなる?で詳しく説明しています。空白ができる場合の手続きは転職の空白期間の健康保険・年金の記事を参照してください。
年度替わり(4月入職)や年末をまたぐときは?
4月1日に入職したい場合は、4月1日から逆算します。3月は引越しが混むこと、子どもの保育園の申込みの時期、住民税や保険の切り替えなど、年度替わりならではの準備があります。具体的な逆算の仕方は4月入職の転職はいつから準備する?にまとめています。
12月退職・1月入社のように年をまたぐときは、年末調整をどこで受けるか、医療機関や役所の年末年始の休みが関係します。看護師は2年に1回、12月31日現在の状況を就業地の都道府県に届け出る業務従事者届があり(保健師助産師看護師法第33条)、2026年12月31日現在の状況を2027年1月15日までに届け出ます[6][8]。勤務先がまとめて届け出ることが多いので、年末に職場が変わるときは、どちらの職場で届け出るかを確認しておきましょう。年をまたぐ転職の注意点は年末年始の転職活動の進め方を参照してください。
育休を取る予定や、家庭の予定がある人は?
勤続期間が条件になる制度は、転職すると数え直しになります。代表的なのが育児休業です。育児休業は法律上申し出られますが、勤務先が労使協定で「雇用されて1年未満の人」を対象外にしていると取れません(育児・介護休業法第6条第1項)[7]。育児休業給付金の条件も含めて、育休・産休の前後で転職するときの注意点で整理しています。
子どもの入園・入学の時期と重なる場合は、預け先の時間と新しい職場の勤務時間が合うかも、時期を決める材料になります。小学校入学で変わる制度は看護師の小1の壁を参照してください。
入職日を決めるとき、転職先に何を確かめる?
入職日は、今の職場の退職日だけでなく、転職先の受け入れの段取りにも左右されます。面接や内定の連絡のときに、次の点を確かめておくと日程を決めやすくなります。
- 入職可能日の幅 — 「〇月1日入職が望ましい」など希望があるか。月の途中の入職もできるか
- オリエンテーション・研修 — 中途入職者の研修がいつ、どのくらいの期間あるか
- 夜勤・オンコールに入る時期 — 入職してどのくらいで夜勤やオンコールを始めるか
- 試用期間 — 期間の長さと、その間の勤務条件
- 社会保険・有給休暇 — 入職日から社会保険に入るか。有給休暇はいつ、何日付くか
面接で確かめる質問の聞き方は看護師の面接の逆質問に、内定時に受け取る書面の見方は労働条件通知書の記事にまとめています。
逆算スケジュールの立て方(見本)
退職したい日から逆算すると、いつ動き出せばよいかが見えてきます。下の表は、就業規則に「退職は1か月前までに申し出る」と書かれている職場を想定した書き方の見本です。期間は人によって大きく変わるので、自分の就業規則と予定に置き換えてください。
| やること | 目安の考え方(見本) |
|---|---|
| 退職日を決める | 賞与の支給日、退職金・奨学金の条件、月末か月の途中かを見て決める |
| 最終出勤日を決める | 退職日から、残っている有給休暇の日数をさかのぼる |
| 退職を伝える | 就業規則の申し出の期限(この見本では退職日の1か月前)より余裕をもって。引き継ぎとシフトの調整の期間も見込む |
| 内定・入職日の確定 | 退職を伝える前に、転職先と入職日を決めておく |
| 応募・面接・見学 | 内定の時期からさかのぼる。見学や面接の日程は、今の勤務表が出たら早めに調整する |
| 情報収集 | 応募先の採用ページで、勤務時間・夜勤・研修などを比べる |
時期が決まったら、応募先を探す
採用直行便では、病院・クリニックの公式採用ページを市区町村や駅から探せます。入職できる時期や研修の有無、夜勤の有無は医療機関ごとに違うので、各採用ページで確かめ、不明な点は応募のときに直接問い合わせてください。看護師の採用ページ一覧から探し始め、直接応募の流れは看護師の直接応募ガイドを参考にしてください。
参考資料(確認日 2026年10月24日・25日)
- 民法 第627条・第628条(e-Gov法令検索) 法律
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 — 退職、解雇、雇止めなど」 ページ
- 労働基準法 第39条(e-Gov法令検索) 法律
- 厚生労働省「確かめよう労働条件 — 年次有給休暇」 ページ
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」 ページ
- 保健師助産師看護師法 第33条(e-Gov法令検索) 法律
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第6条(e-Gov法令検索) 法律
- 福岡県「保健師・助産師・看護師・准看護師の業務従事者届」 ページ
よくある質問
看護師が転職するのに一番良い時期はいつですか?
法律や制度で「この時期が良い」と決まっているわけではありません。今の職場の就業規則(退職の申し出の時期・賞与の支給条件)、有給休暇の残り日数、退職日による社会保険の扱い、転職先の受け入れの都合を並べて、自分にとって損が少なく引き継ぎもしやすい時期を選びます。
退職は何か月前に伝えればいいですか?
期間の定めのない雇用なら、民法では退職の申し入れから2週間で雇用が終わります(第627条)。ただ、多くの職場は就業規則に申し出の時期を書いているので、まず就業規則を確認し、その時期に合わせて早めに伝えると引き継ぎや勤務の調整が進めやすくなります。
転職してすぐに有給休暇は使えますか?
労働基準法では、年次有給休暇は雇入れの日から6か月継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した人に10日与えられます(第39条)。これより早く付与する職場もあるので、入職前に転職先の就業規則で確認してください。
月末に退職するのと月の途中で退職するのは、どちらがいいですか?
一概には言えません。健康保険と厚生年金は退職日の翌日に資格を失い、保険料は資格を失った月の前月分までかかります。月末退職なら退職した月の分まで今の職場の保険に入り、月の途中で退職すると、その月は次の職場の保険か国民健康保険・国民年金に入ることになります。次の入職日との間に空白があるかどうかで考えます。
育休を取る予定がある場合、転職の時期は関係ありますか?
関係することがあります。育児休業は法律上申し出られますが、勤務先が労使協定で「雇用されて1年未満の人」を対象外にしていると取れません(育児・介護休業法第6条)。転職先の制度は、応募前や面接で確かめておくと安心です。
次の職場は、公式採用ページから直接応募
採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。
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