年末年始の転職活動の進め方|12月退職・1月入社の年末調整と社会保険

公開 2026年10月27日・最終更新 2026年10月27日

結論:年末年始も転職活動は進められますが、医療機関の休診と役所の休み(国の行政機関は12月29日〜1月3日)があるので、見学の日程調整や手続きは年内の診療日・開庁日のうちに前倒しします。12月退職・1月入社では、12月の給与を受け取った後に退職すれば前の職場で年末調整、そうでなければ翌年に確定申告です。社会保険は退職日の翌日に資格を失い、1月の入社日まで空白があれば年金・健康保険の手続きが必要です。医療職は、12月31日現在の届出(看護師の業務従事者届・医師届)と麻薬施用者免許の期限も確認します。

年末年始に転職活動を進めても大丈夫?

年末の机とカレンダー

進めて大丈夫です。年末年始は仕事が休みになる人も多く、応募先の採用ページを読み比べたり、応募書類を準備したりする時間を取りやすい時期です。一方で、応募先の医療機関も年末年始は休診にしたり、採用担当者が休みに入ったりすることがあります。応募や見学の連絡は、相手の休みを前提に計画するのがこつです。

  • 休み中にできること — 採用ページの読み比べ、履歴書・職務経歴書の作成、通勤経路の確認、応募メールの下書き
  • 年内の診療日のうちにしたいこと — 職場見学の申し込みや日程の調整、面接日の確定
  • 休み明けにすること — 返事が来ていない応募先への確認、内定後の手続き

医療機関への応募・見学の連絡はいつ送る?

休診期間は医療機関ごとに違うので、まず応募先の公式サイトのお知らせで年末年始の休診日を確認します。そのうえで、次のように連絡の時期を決めます。

  • 見学・面接の日程を相談したい — 休診に入る前、年内の診療日のうちに、余裕をもって連絡します
  • 休み中に応募書類が仕上がった — メールの応募なら、休み中に送っても失礼ではありません。本文に「年明けのご都合のよいときにご確認ください」と一言添えると、相手に急かす印象を与えません
  • 電話で連絡したい — 休み明けは診療や事務が立て込むこともあるため、採用ページに受付時間の指定があればそれに従い、なければ診療の混みやすい時間を避けてかけます

応募メールの件名・本文の書き方はクリニック・病院への応募メールの書き方、見学の申し込み方は職場見学の申し込み方にまとめています。

12月退職・1月入社の年末調整はどこでする?

源泉徴収票らしき書類と封筒

年末調整は、原則としてその年の最後に給与を支払う職場が、その年の給与全体について行うものです(所得税法第190条)[1]。年の途中で退職した人は原則として年末調整の対象になりませんが、国税庁は、対象になる人の一つとして「12月に支給されるべき給与等の支払を受けた後に退職した人」を挙げています[2]。

ケース(2026年12月退職・2027年1月入社)2026年分の所得税の精算
12月分の給与を受け取った後に退職前の職場の年末調整の対象
12月分の給与の支払より前に退職し、年内に再就職しない年末調整は受けられない。翌年に確定申告(還付申告)をする
年内に次の職場に入り、12月の給与もそこで受け取る次の職場が前職の分も合わせて年末調整(前職の源泉徴収票を提出)

1月に入る転職先が年末調整をするのは、入社した年(2027年)の給与です。2026年分の源泉徴収票は、前の職場で年末調整を受けなかった場合の確定申告などで使います。源泉徴収票は、年の途中で退職した人には退職の日以後1か月以内に交付されます(所得税法第226条)[1]。年内に再就職する場合の源泉徴収票の出し方や医療費控除は、転職した年の年末調整と確定申告で説明しています。

還付申告は、その年の翌年1月1日から5年間提出できます[3]。確定申告の期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです[4]。

12月末に退職すると社会保険はどうなる?

健康保険・厚生年金は退職日の翌日に資格を失い、保険料は資格を失った月の前月分までかかります。12月31日に退職すると資格を失うのは1月1日なので、12月分まで職場の保険料がかかり、最後の給与から前月分と退職月分の2か月分が引かれることがあります。月末に退職した月に支給された賞与にも保険料がかかります[5]。仕組みは退職月の社会保険料にまとめています。

1月の入社日が1月1日でなければ、その間は空白です。年金については、種別が変わった月は変更後の種別の月とみなされます(国民年金法第11条の2)[6]。日本年金機構は、退職の翌月の途中で次の会社に入った例で、その間は国民年金の第1号被保険者として手続きが必要で、月末に厚生年金に入っていればその月の国民年金保険料は納める必要がないと説明しています[7]。

例(見本)年金健康保険
12月31日退職 → 1月1日入社空白なし。手続き不要空白なし。新しい職場で加入
12月31日退職 → 1月5日入社1月1日〜4日は第1号。手続きが必要だが、1月末は厚生年金なので1月分の国民年金保険料はかからない1月1日〜4日について、国民健康保険・任意継続・家族の扶養のどれかの手続き
12月15日退職 → 1月5日入社12月16日から第1号。12月末も第1号なので12月分の国民年金保険料がかかる12月16日から1月4日まで、上のどれかの手続き

空白期間の保険の選び方と、国民健康保険料の考え方は転職の空白期間の健康保険と転職の空白期間の年金で詳しく説明しています。

年末年始は役所が休み。手続きの期限は?

国の行政機関は、12月29日から翌年1月3日までが休日と法律で定められています(行政機関の休日に関する法律第1条)[8]。市区町村などの地方公共団体の休日は条例で定め、年末または年始の日も休日にできるとされています(地方自治法第4条の2)[9]。

  • 国民健康保険・国民年金 — 14日以内の届出です[10][11]。年末に退職すると、期限の中に窓口の休みが入ります。電子申請ができる手続きもあるので、住所地の市区町村の案内を確認します
  • 任意継続 — 退職日の翌日から20日以内。協会けんぽは、20日目が土日・祝日の場合は翌営業日までとしています[12]
  • 転出届・転入届 — 年末年始に引っ越す場合、転入届は転入から14日以内です(住民基本台帳法第22条)[13]

退職日が決まったら、どの手続きを年内に済ませ、どれを休み明けにするかを、窓口の年末年始の開庁日とあわせて確認しておきます。

1月1日の住所で決まるものは?

個人の住民税(市町村民税・道府県民税)の賦課期日は、その年の1月1日です(地方税法第39条・第318条)[14]。住所を有する個人とは、原則としてその市町村の住民基本台帳に記録されている人をいいます(同法第294条)。年末年始をまたいで引っ越す場合は、1月1日にどこに住民登録があるかで、その年度の住民税を課す市区町村が決まります。

年の途中で退職したときの住民税の納め方(一括徴収・普通徴収)は、退職・転職した年の住民税で説明しています。

医療職が年末年始に確認したい届出は?

  • 看護師・准看護師の業務従事者届 — 業務に従事する看護師等は、2年ごとの年の12月31日現在の氏名・住所などを、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事に届け出ます(保健師助産師看護師法第33条)[15]。今回は2026年12月31日現在の分を2027年1月15日までに届け出ます。12月31日までに退職して従事していなければ対象外ですが、休職中・産休中・育児休業中の人は退職していなければ対象です[16]。12月中に新しい職場に入った人は、新しい就業地で届け出ます
  • 医師届 — 医師は、2年ごとの年の12月31日現在の氏名・住所(医業に従事する人はその場所も)などを、翌年1月15日までに住所地の都道府県知事を経由して届け出ます(医師法第6条第3項)[17]。前回は2024年12月31日現在の分で、就業していない医師も対象とされています(静岡県の案内)[18]。次は2026年12月31日現在の分です
  • 麻薬施用者免許 — 有効期間は、免許の日からその日の属する年の翌々年の12月31日までです(麻薬及び向精神薬取締法第5条)[19]。2026年12月31日で満了する免許の継続申請を10月から11月に受け付けている県があり(例:神奈川県は10月1日〜11月2日)、12月31日までに異動や転居が予定されている場合は申請前に窓口へ相談するよう案内しています[20]。申請事項に変更があったときは、変更後15日以内に記載事項変更届を出します(愛知県の案内)[21]

医師が勤務先を変えるときの保険医登録や麻薬施用者免許の手続きの全体は、医師が引っ越す・異動するときの手続きにまとめています。

年明けにしておく準備は?

  • 扶養控除等申告書 — 中途就職の場合は、就職後最初の給与の支払を受ける日の前日までに、新しい職場に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を出します[22]
  • 前の職場の書類を保管する — 源泉徴収票、離職票(受け取った場合)、健康保険の資格喪失を証明する書類などは、確定申告や空白期間の手続きで使います
  • 確定申告の準備 — 前の職場で年末調整を受けなかった人は、源泉徴収票をもとに2月16日からの確定申告(還付申告なら1月から)を準備します
  • 新しい職場の初日の確認 — 持ち物、提出書類、勤務開始の時刻を、休み明けすぐに確かめられるようにメモしておきます

年をまたぐ転職の家計を見直したいときは?

12月退職・1月入社では、賞与、最後の給与、年末調整や確定申告による還付、国民健康保険料・国民年金保険料、住民税の納付などが短い期間に重なります。税や保険料の個別の判断は税務署や市区町村の窓口に確認し、家計全体の見直しはファイナンシャルプランナー(FP)に相談する方法もあります。

年明けに応募先を探すなら

採用直行便では、病院・クリニックの公式採用ページを市区町村ごとに一覧で見られます。年末年始の休みのあいだに地図で探すから通いやすい医療機関を見つけ、採用ページを読み比べておくと、休み明けにすぐ応募できます。募集の有無や入職の時期は、各医療機関の採用ページで直接確かめてください。直接応募の流れは直接応募ガイドにまとめています。

参考資料(確認日 2026年10月24日)

  1. 所得税法 第190条・第226条(e-Gov法令検索) 法律
  2. 国税庁 タックスアンサー No.2665「年末調整の対象となる人」(令和8年4月1日現在法令等) ページ
  3. 国税庁 タックスアンサー No.2030「還付申告」 ページ
  4. 国税庁 タックスアンサー No.2020「確定申告」 ページ
  5. 日本年金機構「退職した従業員の保険料の徴収」 ページ
  6. 国民年金法 第11条の2(e-Gov法令検索) 法律
  7. 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 ページ
  8. 行政機関の休日に関する法律 第1条(e-Gov法令検索) 法律
  9. 地方自治法 第4条の2(e-Gov法令検索) 法律
  10. 国民健康保険法施行規則 第3条(e-Gov法令検索) 省令
  11. 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」 ページ
  12. 全国健康保険協会「任意継続」 ページ
  13. 住民基本台帳法 第22条(e-Gov法令検索) 法律
  14. 地方税法 第39条・第294条・第318条(e-Gov法令検索) 法律
  15. 保健師助産師看護師法 第33条(e-Gov法令検索) 法律
  16. 福岡県「保健師、助産師、看護師、准看護師、歯科衛生士及び歯科技工士の業務従事者届についてのお知らせ」 ページ
  17. 医師法 第6条(e-Gov法令検索) 法律
  18. 静岡県「令和6年医療従事者届(三師届、業務従事者届)について」 ページ
  19. 麻薬及び向精神薬取締法 第5条(e-Gov法令検索) 法律
  20. 神奈川県「麻薬取扱者免許の継続申請手続きについて」 ページ
  21. 愛知県「麻薬施用者(管理者)免許に関する継続申請及び各麻薬業務所における年間届出について」 ページ
  22. 国税庁「A2-1 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」 ページ

よくある質問

年末年始に応募のメールを送っても失礼になりませんか?

失礼にはなりません。ただし年末年始は休診にしたり、採用担当者が休みに入ったりする医療機関があり、返事は休み明けになることがあります。休診期間は各医療機関の公式サイトのお知らせで確認し、急ぎの見学の日程などは年内の診療日のうちに相談しておくと進めやすくなります。

12月に退職して1月に入社する場合、年末調整はどこでしますか?

前の職場で12月分の給与を受け取った後に退職した人は、前の職場の年末調整の対象になります(国税庁)。それ以外で年内に再就職しなかった人は年末調整を受けられないため、翌年に確定申告(還付申告)をすると、納めすぎた所得税が戻ることがあります。1月に入る転職先が年末調整をするのは翌年分の給与です。

12月31日に退職して1月5日に入社すると、年金や健康保険の手続きはいりますか?

1月1日から4日まで空白があるので、原則として国民年金と、国民健康保険・任意継続・家族の扶養のどれかの手続きが必要です。年金は月末にどの制度に入っているかで月の扱いが決まるため、1月末に新しい職場の厚生年金に入っていれば、1月分の国民年金保険料は納める必要がありません(日本年金機構の例)。迷ったら市区町村の窓口に確認してください。

年末年始は市区町村の窓口が休みですが、14日以内の届出に間に合わないときは?

国の行政機関は12月29日から1月3日までが休日と法律で決まっており、市区町村も条例で年末年始の休日を定めています。期限の数え方や休み明けの扱いは手続きごとに違うため、退職日が決まった時点で、年内に済ませられる手続きと休み明けに行う手続きを窓口に確認しておきます。

看護師が12月に退職したら、業務従事者届は出しますか?

業務従事者届は、届出の年の12月31日現在に業務に従事している看護師等が、翌年1月15日までに就業地の都道府県知事に届け出るものです。2026年はその年にあたります。12月31日までに退職して従事していなければ対象外ですが、休職中・産休中・育児休業中の人は退職していなければ対象です(福岡県の案内)。

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