転職の空白期間の年金は?1週間・1か月以内でも国民年金の手続きは必要
退職したら、厚生年金はいつまで?

厚生年金保険の被保険者は、その事業所に使用されなくなった日の翌日に資格を失います(厚生年金保険法第14条)[1]。3月31日に退職すれば4月1日、4月15日に退職すれば4月16日が資格喪失日です[2]。
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人で厚生年金保険に加入していない人は、国民年金の第1号被保険者か第3号被保険者になります[3]。会社員や公務員として厚生年金に入っている間は「第2号被保険者」で、退職するとこの種別が変わります。
空白期間の手続きは?14日以内に市区町村で
| 退職後の状態 | なる種別 | 手続き |
|---|---|---|
| しばらく次の会社に入らない | 第1号被保険者 | 本人(または世帯主)が住所地の市区町村で、退職日の翌日から14日以内に手続き |
| 厚生年金に入っている配偶者の被扶養者になる | 第3号被保険者 | 配偶者の勤務先を通して書類を出す |
出典:日本年金機構[2][3]。種別変更の届け出は、事実があった日から14日以内と定められています(国民年金法施行規則第6条の2)[5]。
- 持ち物 — 基礎年金番号通知書など基礎年金番号が分かる書類、またはマイナンバーカード(ない場合は通知カードなどと本人確認書類)[3]
- 退職の証明 — 退職直後に手続きする場合は、厚生年金の資格喪失日を証明できるもの(離職票など)が必要になる場合があります[3]
- 電子申請 — 日本年金機構は電子申請の利用も案内しています[3]
- 遅れたとき — 手続きが遅れると、「届出はお済みですか(国民年金加入のご案内)」が届く場合があります[3]
保険料は月単位。月末にどの制度にいるかで決まる

年金の加入期間は月単位で数え、資格を取った日の属する月から、資格を失った日の属する月の前月までが入ります(国民年金法第11条、厚生年金保険法第19条)。保険料は、この期間の各月について納めます(国民年金法第87条、厚生年金保険法第81条)[1][4]。
さらに国民年金法は、種別が変わった月は変更後の種別の月とみなし、同じ月に2回以上変わったときは最後の種別の月とみなすと定めています(第11条の2)[4]。このため、実際には「その月の末日にどの制度に入っているか」で、その月の扱いが決まります。
- 厚生年金 — 保険料は資格喪失日が属する月の前月分までです。月の末日に退職すると翌月1日が資格喪失日になるので、退職した月の分まで納めます[6]
- 入社した月の厚生年金 — 入社日に資格を取り、資格を取った月の保険料から払います。会社が給与から差し引いて納めます[6]
空白1週間・1か月以内・1か月の具体例
日本年金機構が示している例をもとに整理します[2]。
| 例 | 種別の流れ | 国民年金の保険料 | 手続き |
|---|---|---|---|
| 3月31日退職 → 4月1日入職 | 第2号のまま | なし | 不要(空白なし) |
| 3月31日退職 → 4月16日入職 | 4月1日〜15日 第1号 → 4月16日〜 第2号 | 4月分は不要(4月末に第2号) | 4月1日の第1号の資格取得の手続きが必要 |
| 4月15日退職 → その後しばらく入職しない | 4月16日〜 第1号 | 4月末以降も第1号なら4月分から納付 | 4月16日の第1号の資格取得の手続きが必要 |
| 3月31日退職 → 4月16日入職 → 4月20日退職 | 第1号 → 第2号 → 4月21日〜 第1号 | 4月分は納付が必要。4月の厚生年金分も会社から徴収される | 4月1日と4月21日の第1号の資格取得の手続きが必要 |
2つめの例のように、月末に厚生年金に入っていて国民年金保険料がかからない月でも、空白期間の手続きは必要とされています[2]。「1週間だけだから」「同じ月のうちに入職するから」と手続きを省かず、迷ったら市区町村か年金事務所に確認してください。
4つめの例の「入社した月に退職した」場合、厚生年金保険料は原則として必要です。ただし、その月にさらに厚生年金か国民年金の資格を取った場合は、先に失った厚生年金の保険料は不要になり、年金事務所から会社に還付のお知らせが届き、本人の負担分は会社から返されます[6]。
配偶者が第3号被保険者のときは?
厚生年金に入っている人(第2号被保険者)に扶養されている配偶者は、第3号被保険者です。第2号の人が退職すると、扶養されていた配偶者も同時に第3号の資格を失うため、配偶者も第1号被保険者の手続きをし、保険料を納める必要があります[2]。
次の職場に入って再び厚生年金に加入し、配偶者を扶養に入れる場合は、新しい勤務先を通して第3号の手続きをします[2]。転職のときは、本人だけでなく配偶者の手続きも一緒に確認してください。
反対に、退職した本人が、厚生年金に入っている配偶者の被扶養者になる場合は、第3号被保険者として配偶者の勤務先を通して手続きします。第3号になるには、原則として年収130万円未満であることなどの条件があります[3]。
保険料を払うのが難しいときは?免除・納付猶予

- 免除 — 本人・配偶者・世帯主の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、本人が申請して承認されると納付が免除されます。免除の割合は全額・4分の3・半額・4分の1の4種類です[7]
- 納付猶予 — 20歳以上50歳未満で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に、申請して承認されると納付が猶予されます[7]
- 失業等による特例 — 退職(失業)した人は、雇用保険の離職票のコピーや雇用保険受給資格者証のコピーなどを添えて申請すると、本人の前年所得にかかわらず免除・納付猶予を受けられる特例があります[7]
- 未納との違い — 全額免除の期間は、老齢基礎年金の受け取り額に2分の1が反映されますが、手続きをせず未納になると反映されません。免除・猶予の期間中に障害や死亡が起きた場合も、一定の要件で障害基礎年金・遺族基礎年金を受け取れます[7]
- あとから納める — 免除・猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら後から納付(追納)できます[7]
申請できるのは、保険料の納付期限から2年を経過していない期間です[7]。払えない場合は、未納のままにせず申請を検討してください。
健康保険・住民票の手続きも同じ時期に
空白期間があるときは、年金と同じく健康保険も、国民健康保険(14日以内)・任意継続(20日以内)・家族の被扶養者のどれかに入る手続きが必要です(協会けんぽ)[8]。引っ越しを伴う転職なら転入届(14日以内)も重なります。手続きの順番は転職と引っ越しの順番の記事にまとめています。
空白期間を作るかどうかは、退職日と入職日の決め方で変わります。応募先の採用ページで入職時期の相談ができるかを確かめ、直接応募の進め方は直接応募ガイドを参考にしてください。
参考資料(確認日 2026年10月22日)
- 厚生年金保険法(e-Gov法令検索) 法律
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 ページ
- 日本年金機構「国民年金に加入するための手続き」 ページ
- 国民年金法(e-Gov法令検索) 法律
- 国民年金法施行規則(e-Gov法令検索) 省令
- 日本年金機構「月の途中で入社したときや、退職したときは、厚生年金保険の保険料はどのようになりますか。」 ページ
- 日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」 ページ
- 全国健康保険協会(協会けんぽ)「任意継続」 ページ
よくある質問
空白期間が1週間だけでも、国民年金の手続きは必要ですか?
必要です。厚生年金は退職日の翌日に資格を失い、20歳以上60歳未満で国内に住む人は、その日から国民年金の第1号被保険者になります。退職日の翌日から14日以内に、住所地の市区町村で手続きします(日本年金機構)。
3月末に退職して4月16日に入職した場合、4月分の国民年金保険料は払いますか?
払う必要はありません。4月末に厚生年金(第2号被保険者)に入っているため、4月は第2号の月になります。ただし、4月1日から15日までの第1号の資格取得の手続きは必要です(日本年金機構の例)。
月の途中で退職して、その月のうちに次の職場に入ったら?
国民年金法は、種別が変わった月は変更後の種別の月とみなすと定めています(第11条の2)。月末に新しい職場の厚生年金に入っていれば、その月は第2号の月です。手続きの要否は、年金事務所か市区町村で確認してください。
入社した月にすぐ退職したら、厚生年金保険料はかかりますか?
原則として、資格を取った月に資格を失ったときは、その月の厚生年金保険料がかかります。ただし、その月にさらに厚生年金か国民年金の資格を取った場合は、先に失った厚生年金の保険料は不要で、会社を通じて還付されます(日本年金機構のよくある質問)。
国民年金保険料を払うのが難しいときは?
申請して承認されると、保険料の納付が免除・猶予されます。退職(失業)した人は、離職票などを添えて申請すると、本人の前年所得にかかわらず審査される特例があります(日本年金機構)。未納のままにしないことが大切です。
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