通勤手当の非課税限度額は?転職で通勤距離が変わるとき|電車・車・自転車の違い

公開 2026年11月2日・最終更新 2026年11月2日

結論:通勤手当を出すかどうかは勤務先が決めるもので、法律上の支給義務はありません。支給される通勤手当のうち、所得税がかからない上限(非課税限度額)は、電車・バスなら1か月15万円までの合理的な運賃等、車・自転車なら片道の通勤距離ごとの定額です。2026年4月から、車などで片道65km以上の区分の引き上げと、勤務先周辺などの駐車場・駐輪場代の加算(上限5,000円)が始まりました。転職で通勤が変わるときは、新しい勤務先の支給ルールを採用ページや労働条件通知書で確かめます。

通勤手当は法律で必ず出る?

駅の改札を通る通勤者

出す義務はありません。厚生労働省の検討会資料は、通勤に要する費用は使用者が支給することを義務づけられておらず、通勤手当の支払いを強制する法律はないと整理しています[1]。同じ資料では、支給される通勤手当は労働の対償として労働基準法上の「賃金」の一部に当たる、とも説明しています。

つまり、通勤手当が出るか、上限がいくらか、どの経路で計算するかは、勤務先ごとの規程で決まります。転職先の条件は、採用ページの記載と、内定後に受け取る労働条件通知書で確かめます。書面の見方は労働条件通知書の確認ポイントにまとめています。

電車・バス通勤の非課税限度額は?

電車やバスだけで通う人の通勤手当・通勤定期券は、最も経済的かつ合理的な経路と方法で通勤した場合の1か月当たりの金額が非課税です。その金額が15万円を超えるときは、15万円が限度になります(国税庁 No.2582。2026年4月1日現在の法令等)[2]。

  • 新幹線・特急 — その経路・方法が最も経済的かつ合理的と認められれば、料金も含まれます
  • グリーン料金 — 含まれません
  • 電車と車・自転車を組み合わせる場合 — 1か月の合理的な運賃等と、車・自転車の距離に応じた額の合計が限度で、全体の上限は15万円です[2][4]

車・自転車で通う場合の非課税限度額は?

自転車で通勤する後ろ姿

マイカーや自転車などの交通用具を使う人は、片道の通勤距離で1か月当たりの非課税限度額が決まります(国税庁 No.2585。2026年4月1日現在)[3]。

片道の通勤距離1か月当たりの非課税限度額
2km未満全額課税
2km以上10km未満4,200円
10km以上15km未満7,300円
15km以上25km未満13,500円
25km以上35km未満19,700円
35km以上45km未満25,900円
45km以上55km未満32,300円
55km以上65km未満38,700円
65km以上75km未満45,700円
75km以上85km未満52,700円
85km以上95km未満59,600円
95km以上66,400円

電車通勤と違い、実際にかかったガソリン代ではなく距離の区分で決まるのが特徴です。通勤手当の限度額は過去にも改正されているので、古い記事の表を使わず、国税庁の最新のページで確かめてください。

2026年4月の改正で何が変わった?

令和8年度税制改正で、車などで通う人の非課税限度額が次のように改められました[4]。

  • 片道65km以上の区分の引き上げ — 改正前は55km以上がすべて38,700円でしたが、65km以上は上の表の4区分に分かれました
  • 駐車場等の料金の加算(新設) — 勤務先の周辺、または通勤で使う駅・停留所などの周辺の駐車場等の料金を負担することを常例とする人は、距離に応じた限度額に、1か月当たりの料金相当額(上限5,000円)を加えた額が限度になります。自転車やバイクの駐輪場も含まれます。自宅付近の駐車場は対象外で、片道2km未満の人も対象外です
  • 適用の時期 — 2026年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から(同日前の分の差額として追加で支給するものを除く)

見本として、国税庁のQ&Aにある例を紹介します。片道50kmを車で通い、勤務先近くの駐車場(月8,000円)を使う人の限度額は、32,300円+5,000円(8,000円が上限を超えるため)=37,300円です[4]。駐車場代を通勤手当として出すかどうか自体は、勤務先の規程によります。

限度額を超えた分や、社会保険料との関係は?

  • 超えた分 — 非課税限度額を超えて支給された部分は給与として課税され、その月の給与に加えて源泉徴収されます[2][3]
  • 社会保険料 — 所得税で非課税でも、厚生年金保険・健康保険の標準報酬月額の対象になる報酬には通勤手当が含まれます。数か月分をまとめて支給する場合も含まれます[5]

遠くに引っ越して通勤手当が増えると、所得税は非課税の範囲でも、社会保険料の計算のもとになる報酬が増えることがあります。具体的な保険料は勤務先の担当部署で確認してください。

パート・非常勤でも同じ?

非課税限度額は、パートや短期の人にも同じく1か月当たりの額で当てはめます[2]。

支給のルールについては、厚生労働省の「同一労働同一賃金ガイドライン」(短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針)が、短時間・有期雇用労働者にも通常の労働者と同一の通勤手当を支給しなければならないとしています[6]。同じ指針では、所定労働日数が少ない人には定期代ではなく日額の交通費を出す例や、採用の範囲で上限を決めている場合に本人の都合で上限を超える所に転居したときは上限の範囲で支給する例が「問題とならない例」として挙げられています。転職と同時に遠くへ引っ越す人は、上限の有無を確かめておきます。

転職で通勤距離が変わるときに確かめること

  1. 通勤手当の有無と上限 — 採用ページの待遇欄、労働条件通知書、就業規則(賃金規程)
  2. 認められる通勤方法 — 車・自転車通勤が認められるか、駐車場の用意や費用の扱い
  3. 計算のもとになる経路 — 実際に使う経路と、勤務先が認める経路が同じか
  4. 引っ越しの予定 — 入職後に住所が変わるなら、届け出の時期。手続き全体は転職と引っ越しの順番を参考にしてください

通勤のしやすさで職場を探すなら、地図で探すや市区町村ページの「駅名から探す」で、住まいの最寄り駅から近い病院・クリニックの公式採用ページを一覧にできます(距離は直線距離です)。通勤手当などの条件は、各医療機関の採用ページで直接確かめてください。

参考資料(確認日 2026年10月24日・25日)

  1. 厚生労働省 第2回 社会保険料・労働保険料の賦課対象となる報酬等の範囲に関する検討会 資料1「通勤手当について」(平成24年9月20日) PDF
  2. 国税庁 タックスアンサー「No.2582 電車・バス通勤者の通勤手当」 ページ
  3. 国税庁 タックスアンサー「No.2585 マイカー・自転車通勤者の通勤手当」 ページ
  4. 国税庁「通勤手当の非課税限度額の改正に関するQ&A」(令和8年4月) PDF/案内ページ
  5. 日本年金機構「標準報酬月額の対象となる報酬に、通勤手当は含まれるのですか。」 ページ
  6. 短時間・有期雇用労働者及び派遣労働者に対する不合理な待遇の禁止等に関する指針(平成30年厚生労働省告示第430号、令和8年4月28日改正) PDF/厚生労働省の案内

よくある質問

通勤手当は法律で必ず支給されますか?

支給を義務づける法律はありません。厚生労働省の検討会資料でも、通勤に要する費用は使用者が支給することを義務づけられておらず、通勤手当の支払いを強制する法律はないと整理されています。支給の有無や上限は、勤務先の就業規則・賃金規程や労働条件通知書で確認します。

電車通勤の非課税限度額はいくらですか?

最も経済的かつ合理的な経路・方法で通勤した場合の1か月当たりの通勤定期券などの金額までが非課税で、上限は1か月15万円です(国税庁 No.2582、2026年4月1日現在の法令等による)。新幹線の料金も、その経路・方法が最も経済的かつ合理的なら含まれますが、グリーン料金は含まれません。

車通勤で片道2km未満の場合は?

マイカー・自転車などで通う人の通勤手当は、片道2km未満だと非課税の扱いがなく、全額が課税されます(国税庁 No.2585)。2026年4月から新設された駐車場等の料金の加算も、片道2km未満の人は対象外です。

2026年4月の改正で何が変わりましたか?

マイカーなどで通う人のうち、片道65km以上の区分の非課税限度額が引き上げられました。また、勤務先や利用する駅の周辺の駐車場・駐輪場の料金を負担している人は、距離に応じた限度額に1か月当たり5,000円を上限として駐車場等の料金相当額を加えられるようになりました。2026年4月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されています。

通勤手当は社会保険料の計算に入りますか?

入ります。所得税では一定額まで非課税ですが、厚生年金保険・健康保険の標準報酬月額の対象となる報酬には通勤手当も含まれると、日本年金機構が説明しています。

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採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。

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