お金の相談は無料でどこにする?転職のときの公的窓口と家計相談(FP)の使い分け
転職のときのお金の相談、まずどこにする?

「お金の相談」といっても、聞きたいことによって答えを持っている窓口が違います。まず、悩みを次のどれかに分けると、相談先が決めやすくなります。
| 聞きたいこと | 無料で相談できる主な窓口 |
|---|---|
| 国民年金への切り替え、保険料の免除、年金の記録 | 年金事務所、ねんきんダイヤル、市区町村の国民年金の窓口 |
| 健康保険の切り替え(任意継続・国民健康保険)、保険料 | 加入していた健康保険(協会けんぽの支部・健康保険組合)、市区町村の国民健康保険の窓口 |
| 年末調整・確定申告・医療費控除など所得税 | 税務署(電話相談センター)、国税庁のチャットボット |
| 住民税の納め方、納付が難しいとき | 住所地の市区町村の住民税の窓口 |
| 失業手当(雇用保険の基本手当) | 住所を管轄するハローワーク |
| 退職時の賃金・残業代など職場とのトラブル | 総合労働相談コーナー(都道府県労働局・労働基準監督署内) |
| 契約・勧誘のトラブル | 消費生活センター(消費者ホットライン188)、金融庁 金融サービス利用者相談室 |
| 借金・離婚・相続などの法的なトラブル | 法テラス(サポートダイヤル、条件を満たせば無料法律相談) |
| 収入が減り生活費のやりくりが苦しい | 自立相談支援機関(家計改善支援) |
| 家計の配分、貯蓄・資産形成、保険の見直しを一緒に考えたい | J-FLEC の無料体験相談、民間の家計相談(FP相談) |
上の表のうち、公的な窓口は制度の内容や自分の場合の金額・手続きを正確に教えてくれますが、「どの保険に入るべきか」「何に投資すべきか」といった選択の相談には向きません。反対に、民間のFP相談は家計全体を一緒に整理するのに向いていますが、税額や保険料の確定は公的な窓口で確かめます。
年金・健康保険・税金・失業手当は公的窓口で聞ける?
聞けます。転職のときに起こりやすい手続きは、ほとんどが公的な窓口で無料で相談できます。
- 年金 — 年金事務所は、個人の相談を原則として全国どこの年金事務所でも受け付けています。相談には本人確認書類と基礎年金番号が分かる書類(マイナンバーで相談する場合はマイナンバーカードなど)を持っていきます[1][2]。電話ならねんきんダイヤル(0570-05-1165。050で始まる電話からは03-6700-1165)で、月曜は8時30分〜19時、火〜金曜は8時30分〜17時15分、第2土曜は9時30分〜16時に受け付けています[3]。退職して次の職場に入るまでに空白があると、国民年金の第1号被保険者の手続きが必要になり、退職で保険料の納付が難しいときは特例免除を申請できます[4]
- 税金 — 税務署に電話し、音声案内で「1」を選ぶと電話相談センターにつながります(8時30分〜17時)。チャットボットは24時間使えます[5]。年末調整と確定申告の関係は転職した年の年末調整と確定申告にまとめています
- 失業手当 — 住所を管轄するハローワークで求職の申込みをし、離職票を出します。受付は平日8時30分〜17時15分で、求職申込みに時間がかかるため16時前の来所が勧められています。離職理由に納得できないときも、ハローワークに相談します[6]
- 健康保険・住民税 — 任意継続は加入していた健康保険へ、国民健康保険と住民税は住所地の市区町村へ相談します。保険料の比べ方は任意継続と国民健康保険の比較、住民税は退職した年の住民税にあります
どの手続きがいつまでに必要かを先に一覧で見たい人は、退職後の手続き一覧から始めると、相談先も決めやすくなります。
家計が苦しいとき・トラブルのときの無料窓口は?
生活費のやりくりが難しいとき — 自立相談支援機関
厚生労働省の生活困窮者自立支援制度では、生活に困っている人の相談を受け、仕事・住まい・家計などの支援を行います。家計改善支援事業では、家計の状況を分かりやすく整理し、自分で家計を管理できるよう支援計画を作って相談に乗り、必要に応じて関係機関につないだり貸付のあっせんをしたりします。相談先は、お住まいの地域の自立相談支援機関です[7]。
借金・相続などの法的なトラブル — 法テラス
法テラスのサポートダイヤル(0570-078374)は、法的トラブルについて、使える法制度や相談窓口を案内する窓口です。利用料は無料(通話料はかかる)で、平日9時〜21時、土曜9時〜17時に受け付けています。オペレーターは個別の法律相談はしません[8]。収入と資産が一定の基準以下の人は、弁護士・司法書士による無料法律相談(1回30分、同じ問題につき3回まで、原則予約制)を受けられます。対象は借金・離婚・労働・相続・金銭トラブルなどの民事・家事・行政の問題です[9]。
退職時の賃金など職場とのトラブル — 総合労働相談コーナー
都道府県労働局や労働基準監督署内などにある総合労働相談コーナーは、解雇・賃金の引下げ・いじめや嫌がらせなど、あらゆる分野の労働問題の相談を、無料・予約不要で受け付けています[10]。
契約や勧誘のトラブル — 消費生活センター・金融庁
- 消費者ホットライン188 — 全国共通の番号で、近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内します。相談は無料ですが、窓口につながった時点から通話料がかかります[11]
- 金融サービス利用者相談室(金融庁) — 預金・融資・保険・投資商品などの一般的な相談を受け付けます(平日10時〜17時、0570-016811)。個別のトラブルの話を聞いて助言や他機関の紹介はしますが、あっせん・仲介・調停はしません[12]
勧誘なしで家計の相談をする方法はある?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)は、家計管理やNISA・iDeCoなどの資産形成の制度、金融商品・サービスについての無料体験の相談を行っています[13][14]。
- 電話 — 0120-55-1209(使えない場合は03-3231-1209、通話料有料)。平日10時〜17時(16時30分受付終了)、1回最大30分、予約不要、匿名でも可
- 対面・オンライン — 1回最大1時間、予約制(1か月前から7日前まで)、1人1回限り
- 相談員 — J-FLEC認定アドバイザーのうち選ばれた相談員で、金融機関に所属せず、金融商品の勧誘はしないと案内されています
- 有料相談の割引 — 認定アドバイザーの有料相談を初めて使う人向けに、相談料の8割(1時間あたり上限8,000円、合計上限24,000円)を割り引くクーポンがあります(2026年度は3,000名分の予定)
相談員の意見は個人のもので、個別の金融商品の提案や推奨はしないとされています[13]。
民間の家計相談(FP相談)はどう使い分ける?
FP(ファイナンシャルプランナー)は、家計・保険・資産形成・住宅などのお金の計画を一緒に考える専門家です。民間の相談は、大きく次の2つに分かれます。
- 相談料が無料の相談 — 相談料を取らない代わりに、提携している保険会社や金融機関からの手数料で運営されていることが多い形です。相談の中で保険などの商品を紹介される前提で使います
- 相談料を払う相談 — 相談料を払って、家計の分析や計画づくりを依頼する形です。費用はかかりますが、商品を契約するかどうかと切り離して相談しやすくなります
保険会社や保険代理店などは、保険を勧めるときに顧客の意向を把握し、それに沿った提案をし、契約内容を説明し、意向と合っているかを確認する機会を設けることが法律で求められています(保険業法第294条の2)[15]。相談の場で「なぜこの保険を勧めるのか」「ほかの選択肢と比べた理由」を聞くのは、遠慮のいらない質問です。
転職のときに民間の相談が役に立ちやすいのは、たとえば次のような場面です。
- 収入が変わる前後で、家賃・保険・通信費などの配分をどう変えるか整理したい
- 勤務先の団体保険や財形などが退職で終わるので、代わりが必要か考えたい(転職のときに見直したい保険)
- 企業型DCやiDeCo、NISAをどう続けるかを家計全体の中で考えたい(企業型DCの転職時の手続き)
相談の前に用意するものは?

どの窓口でも、手元の資料がそろっているほど答えが具体的になります。公的な窓口では、本人確認書類とマイナンバーが分かるものを求められることが多いので持っていきます。
- 収入 — 直近の給与明細、源泉徴収票、内定先の労働条件通知書(給与・手当・賞与の欄)
- 退職の書類 — 離職票、退職金の明細、健康保険の資格喪失の分かる書類
- 税・社会保険 — 住民税の決定通知書・納付書、国民年金・国民健康保険の通知
- 毎月の支出 — 家賃、通信費、保険料、サブスクリプション、ローンの返済額を書き出したメモ
- 保険・年金の契約 — 保険証券、勤務先の団体保険の案内、企業型DCの通知
- 聞きたいことのメモ — 「いつまでに」「いくら」「何を決めたいか」を3行ほどにまとめる
民間の相談に、マイナンバーや口座番号まで持っていく必要は通常ありません。どこまでの情報が必要かは、予約のときに確かめます。
勧誘されたときの注意点は?
国民生活センターには、携帯電話ショップで無料の家計相談を受けたら強引に保険を勧められた、という相談も寄せられています[16]。次の点を決めておくと、落ち着いて判断できます。
- その場で契約しない — 提案書や見積もりは持ち帰り、公的な窓口で確かめた保険料・税額と合わせて考えます
- 今の契約を先にやめない — 保険を乗り換える場合は、新しい契約が成立してから古い契約をやめるかを考えます。健康状態によっては新しい保険に入れないこともあります
- クーリング・オフを知っておく — 生命保険の契約は、書面の交付日と申込日のいずれか遅い日から8日以内なら、書面または電磁的記録で申込みの撤回ができるのが原則です。保険期間が1年以下の契約などは対象外です(保険業法第309条)[17]。医師の診査を受けた契約も対象外で、期間を8日より長くしている会社もあります。手続きは保険会社の本社・支社あての書面(会社によってはWEB)で行い、控えを残します[18]
- 困ったら188へ — 断っても勧誘が続く、説明と違う契約になっていたなどのときは、消費生活センターに相談します[11]
家計の相談サービスを使う場合は?
収入が変わる時期の家計の配分や保険の見直しを、人と一緒に整理したい場合は、民間の家計相談サービスを使う方法もあります[19]。税額・保険料そのものは、上で挙げた公的な窓口で確かめてください。
次の職場の条件は採用ページで確かめる
家計の見通しを立てるには、転職先の給与・手当・賞与・社会保険の加入などの条件が出発点になります。採用直行便の条件から探すでは、地域の病院・クリニックの公式採用ページを一覧で見られ、条件を各医療機関のページで直接確認できます。直接応募の流れは直接応募ガイドにまとめています。
参考資料(確認日 2026年10月24日)
- 日本年金機構「全国の相談・手続き窓口」 https://www.nenkin.go.jp/section/soudan/index.html
- 日本年金機構「窓口での年金相談のご案内」 https://www.nenkin.go.jp/section/guidance/onegai.html
- 日本年金機構「ねんきんダイヤル(一般的な年金相談に関するお問い合わせ)」 https://www.nenkin.go.jp/section/tel/toiawase_ippan.html
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」 https://www.nenkin.go.jp/service/kokunen/kanyu/20140710-03.html
- 国税庁「税についての相談窓口」 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shirabekata/9200.htm
- ハローワークインターネットサービス「雇用保険の具体的な手続き」 https://www.hellowork.mhlw.go.jp/insurance/insurance_procedure.html
- 厚生労働省「生活困窮者自立支援制度」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000059425.html
- 日本司法支援センター(法テラス)「法テラス・サポートダイヤル」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudanmadoguchi-houseido/support-dial.html
- 日本司法支援センター(法テラス)「無料法律相談を受けたい方」 https://www.houterasu.or.jp/site/soudan-tatekae/goriyounonagare.html
- 厚生労働省「総合労働相談コーナーのご案内」 https://www.mhlw.go.jp/general/seido/chihou/kaiketu/soudan.html
- 消費者庁「消費者ホットライン」 https://www.caa.go.jp/policies/policy/local_cooperation/local_consumer_administration/hotline/
- 金融庁「金融サービス利用者相談室」 https://www.fsa.go.jp/receipt/soudansitu/index.html
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「専門家に相談したい」 https://www.j-flec.go.jp/public/consult/
- 金融経済教育推進機構(J-FLEC)「はじめてのマネープラン(個別相談)」 https://www.j-flec.go.jp/feature/consult/
- 保険業法 第294条の2(e-Gov法令検索) 法律
- 独立行政法人国民生活センター「生命保険関連」(2026年7月31日更新) https://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/seiho.html
- 保険業法 第309条(e-Gov法令検索) 法律
- 公益財団法人生命保険文化センター「契約申込みから契約成立までの流れと重要事項」 https://www.jili.or.jp/knows_learns/basic/point/18.html
- All About家計相談所(株式会社オールアバウト) https://allabout.co.jp/product/105972/money-plan.html
よくある質問
お金の相談を無料でできる公的な窓口はどこですか?
内容によって分かれます。年金は年金事務所やねんきんダイヤル、税金は税務署の電話相談センター、失業手当はハローワーク、国民健康保険・住民税は市区町村、契約や勧誘のトラブルは消費生活センター(消費者ホットライン188)、借金や労働などの法的なトラブルは法テラス、生活費のやりくりが難しいときは自立相談支援機関が窓口です。
民間のFP相談が無料なのはなぜですか?
相談料を取らない家計相談サービスの多くは、提携先の金融機関などから受け取る手数料で運営されています。たとえばAll About家計相談所は、提携している金融機関からの手数料で運営していると公式サイトに書いています。相談の中で保険などを勧められることがある前提で、契約するかどうかは自分で決めます。
勧誘されずに家計の相談をしたいときは?
金融経済教育推進機構(J-FLEC)は、金融機関に所属しない相談員による無料体験の相談(対面・オンライン最大1時間、電話最大30分)を行っていて、特定の金融商品の勧誘はしないと案内しています。有料のFPに相談料を払って相談する方法もあります。
相談のあと保険に入ったけれど、やめたくなったら?
生命保険の契約は、書面を受け取った日と申込日のいずれか遅い日から8日以内なら、書面または電磁的記録で申込みの撤回(クーリング・オフ)ができるのが原則です(保険業法第309条)。保険期間が1年以下の契約や、医師の診査を受けた契約など対象外もあります。会社によっては期間を延ばしているので、注意喚起情報や約款で確かめます。
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