医師の履歴書・職務経歴書の書き方|医籍登録番号・専門医・研修歴・業績の見本

公開 2026年11月1日・最終更新 2026年11月1日

結論:医師の応募書類は、履歴書(学歴・職歴・免許の基本情報)と職務経歴書(CV)(研修歴・専門医・診療内容・業績)の2つに分けると読みやすくなります。医師免許は「医籍登録番号」と「登録年月日」を免許証のとおりに書き、専門医は認定した団体名を含む正式名称と取得年月で書きます。手技や症例は種類・件数・役割までにとどめ、患者さんが分かる情報は書きません。

医師の履歴書と職務経歴書は何が違う?

CVと学会の抄録集

履歴書は、氏名・連絡先・学歴・職歴・免許などを決まった欄に書く書類です。応募先から指定の様式があればそれを使い、指定がなければ厚生労働省履歴書様式例が使えます[1]。この様式例では性別欄は任意記載で、書かないこともできます。

医師の場合、履歴書の職歴欄だけでは、どの診療科で何をしてきたかが伝わりにくくなります。そこで、次のような内容は職務経歴書(CV)に分けて書きます。様式は決まっていないので、A4で1〜3枚程度にまとめるのが一般的な目安です。

  • 履歴書に書くこと — 氏名・連絡先、学歴、勤務先と在籍期間、医師免許、主な資格、志望の動機、本人希望
  • 職務経歴書に書くこと — 研修歴、勤務先ごとの診療科・役割、主な診療・手技、専門医・指導医、学会発表・論文、希望する働き方

応募のメールの書き方や添付の送り方は、クリニック・病院へ直接応募するときのメールにまとめています。

医師免許の欄には何を書く?

医籍(医師の登録簿)には、登録番号と登録年月日、氏名・生年月日・性別・本籍地の都道府県、医師国家試験に合格した年月などが登録されます(医師法施行令第4条)[2]。免許・資格欄には、医師免許証に書かれているとおりに書きます。

○年 ○月 医師免許 取得(医籍登録番号 第○○○○○○号、登録年月日 ○年○月○日)
○年 ○月 保険医 登録

以上は書き方の見本です。番号と日付は必ず免許証で確かめてください。

医療機関は採用のときに医師の資格を確かめます。厚生労働省の「医師等資格確認検索」は、医療機関向けの検索に氏名・生年月日・登録番号・登録年月日などを使い、採用の際は免許証原本で最終的に資格を確認するよう案内しています[3]。応募先から免許証の写しや原本を求められたら、その指示に従います。

氏名などが変わったときは、30日以内に医籍の訂正を申請することになっています(同施行令第5条)[2]。旧姓で書類を出す場合は、免許証の氏名とどちらで書くかを応募先に確かめておくと行き違いを防げます。手続きの詳細は医師の引っ越し・異動の手続きにあります。

専門医・指導医はどう書く?

専門医には、日本専門医機構が認定する基本領域(内科、小児科、外科など19領域)の専門医のほか、サブスペシャルティ領域や各学会が認定する専門医・指導医などがあります[4]。似た名前の資格があるため、認定した団体名を含めた正式名称で書きます。

  • 書く順番 — 取得した年月の順に。基本領域、サブスペシャルティ、その他の認定の順にまとめても構いません
  • 書く内容 — 正式名称、認定した団体、取得年月。更新している場合は直近の更新年月
  • 研修中・取得前 — 「○○専門医 取得見込み(○年)」「○○専門研修プログラム 専攻医(○年目)」のように、取得していないことが分かる形にします
  • 略称は使わない — 学会名・資格名は略さずに書きます

研修歴・職歴はどう書く?

診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修を受けることになっていて(医師法第16条の2)、修了すると申請により医籍に臨床研修を修了した旨が登録されます(同法第16条の6)[5]。職務経歴書では、臨床研修・専門研修・その後の勤務を時系列に並べます。

  • 臨床研修 — 研修病院名と期間。修了年月
  • 専門研修 — プログラム名、基幹施設・連携施設として勤務した病院と期間
  • 勤務先ごと — 病院名、診療科、役職(医員・医長など)、在籍期間、主な担当(外来・病棟・当直・救急など)
  • 大学院・留学・休職 — 期間と内容を短く。育児や療養などで離れていた期間は、差し支えない範囲で一言添えると空白の理由が伝わります

人事で短い期間に複数の病院を回った場合も、病院ごとに分けて書きます。非常勤で続けている勤務先があれば、曜日と担当(例:週1日 外来)を添えます。

主な診療・手技はどう書く?

採用する側が知りたいのは、「この医師に何をお願いできるか」です。勤務先ごとに、次の3点を短く書きます。

  1. 診療の範囲 — 外来(初診・再診、専門外来)、病棟の担当患者数の目安、当直・救急の対応
  2. 手技・検査 — 種類と、おおよその件数、自分の役割(術者・助手・指導)
  3. そのほかの役割 — 研修医の指導、委員会、地域連携、健診・予防接種など

件数は、記録で確かめられる範囲で「約○件」と書きます。多く見せるための概算は避け、聞かれたら根拠を説明できる数字にします。

学会発表・論文はどう書く?

論文を読む手元

業績は、論文と学会発表を分け、それぞれ新しい順か古い順のどちらかにそろえます。形式は応募先に指定があればそれに従い、なければ一つの形式で統一します。自分が筆頭著者・筆頭演者のものが分かるようにすると読みやすくなります。

【論文】
1. 著者名(自分の名前に下線), 共著者名. 論文の題名. 雑誌名. 発行年;巻(号):開始ページ-終了ページ.

【学会発表】
1. 演者名(筆頭演者に○), 共同演者名. 演題名. 学会名(第○回), 開催地(またはWeb), ○年○月.

以上は書き方の見本です。件数が多い場合は、主なもの(例:直近5年や筆頭のもの)にしぼり、「ほか○件」と添えて、求められたら全体の一覧を出せるようにしておきます。

個人情報・患者情報で気をつけることは?

医師には、業務上知った人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない守秘義務があります(刑法第134条)[6]。医療機関での個人情報の扱いについては、個人情報保護委員会・厚生労働省のガイダンスも定められています[7]。応募書類は院外の人が読む書類なので、次の点に注意します。

  • 患者さんが分かる情報を書かない — 氏名・イニシャル・年齢・受診日・地域、珍しい疾患の経過など、組み合わせると個人が分かるおそれのある記述は書きません
  • 症例報告は題名だけ — 発表済みの症例報告も、業績欄には題名と発表先だけを書きます
  • 画像やデータを添付しない — 手技の写真・検査画像・前職の資料は添付しません
  • 前の職場の内部情報を書かない — 経営や人事、院内のトラブルなど、公開されていない情報は書きません

自分自身の情報も、必要なものだけで構いません。厚生労働省履歴書様式例には、家族構成や配偶者に関する欄はありません[1]。

職務経歴書の見本

職務経歴書
○年○月○日現在 氏名 ○○ ○○

■ 免許・資格
○年○月 医師免許(医籍登録番号 第○○○○○○号)
○年○月 保険医 登録
○年○月 ○○専門医(○○ 認定)
○年○月 ○○指導医(○○学会 認定)

■ 職務経歴
○年4月〜○年3月 ○○病院(臨床研修)
○年4月〜○年3月 ○○病院 ○○科(専攻医)
 ・病棟:担当患者 常時約○名、外来:週○コマ(再診中心)
 ・当直:月○回程度(救急外来の一次対応を含む)
○年4月〜現在 ○○病院 ○○科(医員)
 ・○○外来を担当(週○コマ)
 ・主な手技:○○(術者として約○件)、○○(約○件)
 ・研修医の指導、○○委員会の委員

■ 業績
論文 ○件(筆頭 ○件)、学会発表 ○件(筆頭 ○件)。主なものは別紙のとおり。

■ 希望する働き方
常勤(外来中心)。○○科の診療と、○○の継続を希望します。

以上は、書き方を示すための見本です。数字や名称は自分の記録に置き換えてください。冒頭の職務要約や、応募先に合わせた書き分けは医師の職務経歴書の書き方で説明しています。

提出する前に確かめることは?

  • 免許証の番号・日付、専門医の名称と取得年月が正しいか
  • 履歴書と職務経歴書で、勤務先の名称と年月が一致しているか
  • 患者さんや前の職場の内部情報が含まれていないか
  • メールで送る場合、PDFにしてファイル名に氏名を入れたか
  • 応募先が指定した方法(郵送・メール・応募フォーム)に合っているか

面接(面談)で聞かれることや確かめたいことは医師の転職の面接で聞かれること・確かめることに、クリニックへの転職で見ておきたい点は医師がクリニックへ転職するときに確認することにまとめています。採用直行便の医師向けページでは、採用ページに医師の募集の記載がある病院・クリニックを地域ごとに見られます。募集の内容や応募方法は、各医療機関の採用ページで直接確かめてください。

参考資料(確認日 2026年10月24日)

  1. ハローワークインターネットサービス「履歴書(厚生労働省履歴書様式例)」 PDF/厚生労働省「公正な採用選考の基本」 ページ
  2. 医師法施行令 第4条・第5条(e-Gov法令検索) 政令
  3. 厚生労働省「医師等資格確認検索」 ページ
  4. 一般社団法人日本専門医機構「専門医の方」(専門医 認定・更新基準) ページ
  5. 医師法 第16条の2・第16条の6(e-Gov法令検索) 法律
  6. 刑法 第134条(e-Gov法令検索) 法律
  7. 厚生労働省「厚生労働分野における個人情報の適切な取扱いのためのガイドライン等」(医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス) ページ

よくある質問

医師の履歴書はどの様式を使えばいいですか?

応募先から指定があればそれに従います。指定がなければ、厚生労働省履歴書様式例を使えます。研修歴・専門医・業績など履歴書の欄に収まらない内容は、職務経歴書(CV)に分けて書くと読みやすくなります。

医籍登録番号はどこで確かめられますか?

医師免許証に記載されています。医籍には登録番号と登録年月日が登録されます(医師法施行令第4条)。応募先から免許証の写しや原本の提示を求められたら、指示に従ってください。厚生労働省の医師等資格確認検索も、採用時は免許証原本で最終的に確認するよう案内しています。

賞罰欄は書く必要がありますか?

厚生労働省履歴書様式例には、賞罰の欄はありません。応募先が指定した様式に賞罰欄がある場合は、その様式の指示に従って記入します。

後期研修(専門研修)中ですが、職歴にどう書きますか?

勤務した病院と診療科ごとに、入職・退職の年月を書き、専門研修のプログラム名と専攻医であることを添えます。専門医の欄には「○○専門医 取得見込み(○年)」のように、取得していないことが分かる形で書きます。

症例数を書くとき、患者さんの情報はどこまで書けますか?

職務経歴書に書くのは、手技の種類とおおよその件数、担当した役割(術者・助手など)までにとどめます。患者さんの氏名・年齢・日付・珍しい疾患の経過など、個人が分かるおそれのある情報は書きません。

次の職場は、公式採用ページから直接応募

採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。

医師向け:都道府県から探す 地図・駅から探す 直接応募の進め方

この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。

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