クリニックの受付の仕事内容|会計・電話・予約とマイナ保険証の確認、未経験の始め方
クリニックの受付はどんな仕事?

受付は、患者さんが最初と最後に接する窓口です。主な仕事は次のとおりです。
| 場面 | 主な仕事 |
|---|---|
| 来院したとき | 受付、保険の資格確認、診察券・問診票の受け渡し、初診の人のカルテ作成の準備 |
| 待合室 | 順番の案内、待ち時間の説明、具合の悪い人がいれば看護師に伝える |
| 診察の後 | 会計(一部負担金の受け取り)、領収証・明細書の発行、次回の予約、処方箋の受け渡し |
| 電話・予約 | 予約の受付・変更、診療時間の案内、症状の相談を看護師や医師につなぐ |
| 診療の前後 | 受付まわりの準備、釣り銭の確認、締めの集計、書類の整理 |
医療事務の仕事全体(受付・会計・レセプト・クラーク業務)は医療事務の仕事内容にまとめています。ここではクリニックの受付に絞って説明します。
受付では保険の資格をどう確認する?
保険医療機関は、患者さんから保険診療を求められたら、電子資格確認(マイナ保険証など)か資格確認書などで受給資格を確かめなければなりません(保険医療機関及び保険医療養担当規則 第3条)[1]。受付の最初の仕事がこの確認です。
- 従来の健康保険証 — 有効期限は2025年12月1日で終了しています[2]
- マイナ保険証 — 健康保険証として利用登録したマイナンバーカードを、受付のカードリーダーで読み取り、顔認証などで本人を確認します。利用登録はカードリーダーでもできます。電子証明書の有効期限の3か月前から3か月後までは、受付で更新のお知らせが表示されます[2]
- スマートフォンのマイナ保険証 — 2025年9月19日から、準備ができた医療機関から順次使えるようになっています[2]
- 資格確認書 — マイナ保険証を持たない人に、加入している保険者が申請によらず無償で交付します。受付で提示してもらいます[2]
読み取れないときは?
カードの読み取りやオンラインでの確認ができないときについて、厚生労働省は次の方法を案内しています[2]。
- マイナンバーカードと、マイナポータルの資格情報画面(ダウンロードしたPDFも可)をセットで提示してもらう
- マイナンバーカードと、紙の「資格情報のお知らせ」をセットで提示してもらう(お知らせだけでは受診できず、スマートフォンでの提示は無効)
- どちらも無いときは「被保険者資格申立書」を書いてもらう
実際の手順は職場ごとに決まっているので、入職時に院内の手順を確認します。
会計では何をする?

診察が終わると、レセコン(会計・請求のシステム)で計算した一部負担金を受け取ります。保険医療機関は、費用を受け取るときは、個別の費用ごとに区分した領収証を無償で交付しなければなりません。厚生労働大臣が定める保険医療機関は、計算の基礎となった項目ごとに記載した明細書も無償で交付します(同規則 第5条の2)[1]。
現金のほか、キャッシュレス決済や自動精算機を使う職場もあります。会計のあとに次回の予約や処方箋の受け渡し、院外の薬局の案内をすることが多く、ここで患者さんから質問を受けることもあります。
電話と予約の対応で気をつけることは?
- 予約 — 電話・WEB予約・受付の窓口など、予約の方法は職場によって違います。WEB予約の画面で順番や予約枠を管理する職場もあります
- 症状の相談 — 受診すべきか、急ぐべきかといった判断は受付ではしないのが基本です。院内の決まりに従って、看護師や医師につなぎます
- 患者さんの情報 — 個人情報保護法は、原則として本人の同意を得ずに個人データを第三者に提供してはならないと定めています(第27条第1項)[3]。電話で「家族が受診しているか」などを聞かれたときの答え方は、院内の決まりを確かめておきます
- 待合室での呼び出し — 個人情報保護委員会と厚生労働省のQ&Aは、氏名による呼び出しには患者の取り違え防止などに役立つ面があるとしたうえで、他の患者に聞こえる呼び出しをやめてほしいという要望があれば誠実に対応する必要があるとしています[4]
医療事務とは何が違う?
受付・会計は医療事務の仕事の一部です。違いは担当する範囲にあります。
| 仕事 | 受付が中心の担当 | 医療事務(請求まで)の担当 |
|---|---|---|
| 受付・資格確認 | 担当する | 担当する |
| 会計 | 担当することが多い | 担当する |
| 電話・予約 | 担当する | 担当する |
| レセプト(診療報酬の請求) | 担当しない、または補助 | 担当する |
クリニックは人数が少ないため、受付の担当がレセプトの点検まで受け持つ職場もあります。どこまで担当するかは、採用ページの業務内容や面接で確かめます。クリニックと病院で医療事務の分担がどう違うかは医療事務はクリニックと病院でどう違う?、レセプトの仕組みはレセプトとは?にまとめています。
未経験から始めるときは何を準備する?
- 受付の流れを知っておく — 資格確認(この記事の内容)、会計、予約の流れを知っておくと、面接で準備を具体的に話せます
- パソコンの基本操作 — 予約システムやレセコンは職場ごとに違うので、特定の製品より文字入力などの基本に慣れておきます
- 資格は必要か — 資格の要否と主な試験は医療事務に資格はいる?いらない?を参考にしてください
- 応募書類と面接 — 医療事務の履歴書の書き方、医療事務・クリニック受付の志望動機、医療事務の面接でよく聞かれる質問にまとめています
受付の接遇や医療保険の仕組みを体系的に学びたい人は、通信講座も選択肢です。公式サイトで確認できた事実だけを載せています[5]。並びは五十音順で、優劣ではありません。受講料は時期によって変わるため、公式サイトで確かめてください。
採用ページで確かめることは?
- 診療時間 — 午前・午後の時間、昼休み、土曜・日曜の診療、終わりの時刻
- 担当の範囲 — 受付・会計だけか、レセプトまで担当するか
- 教え方 — 未経験の人にどう仕事を教えるか、慣れるまでの期間
- 働き方 — 常勤・パート、シフトの決め方(応募前に確かめ、内定後は書面で確認)
採用直行便の医療事務向けページでは、病院・クリニックの公式採用ページを地域ごとに一覧で見られます。市区町村ページでは、土曜・日曜・18時以降の診療の有無や最寄り駅で絞り込めます(厚生労働省の公開データによる施設の情報で、募集内容ではありません)。受付の募集があるか、条件はどうかは、各医療機関の採用ページで直接確かめてください。
参考資料(確認日 2026年10月24日)
- 保険医療機関及び保険医療養担当規則 第3条・第5条の2(e-Gov法令検索) 省令
- 厚生労働省「資格確認方法について」 ページ
- 個人情報の保護に関する法律 第27条(e-Gov法令検索) 法律
- 個人情報保護委員会・厚生労働省「『医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス』に関するQ&A(事例集)」(平成29年5月30日、令和8年4月一部改正)Q3-10 PDF/個人情報保護委員会「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」 ページ
- ヒューマンアカデミー通信講座「医療事務講座(eラーニング付)」 ページ/ユーキャン「医療事務講座」 ページ
よくある質問
クリニックの受付と医療事務は同じ仕事ですか?
受付・会計は医療事務の仕事の一部です。医療事務には、このほか診療報酬の請求(レセプト)などがあります。クリニックでは受付の担当が会計やレセプトまで受け持つ職場もあれば、受付・会計を中心にする職場もあり、担当の範囲は採用ページや面接で確かめます。
受付で保険証の代わりに何を確認しますか?
従来の健康保険証の有効期限は2025年12月1日で終了しています。いまは、マイナ保険証(健康保険証として利用登録したマイナンバーカード)を受付のカードリーダーで読み取るか、マイナ保険証を持たない人が保険者から受け取る資格確認書を見せてもらうのが基本です。
マイナ保険証が読み取れないときはどうしますか?
厚生労働省は、マイナンバーカードとマイナポータルの資格情報画面、またはマイナンバーカードと紙の「資格情報のお知らせ」をセットで提示してもらう方法を案内しています。どちらも無いときは「被保険者資格申立書」を書いてもらう方法があります。
待合室で患者さんを名前で呼んでもいいですか?
個人情報保護委員会と厚生労働省のQ&Aでは、氏名による呼び出しは患者の取り違え防止などに役立つ面がある一方、患者から他の患者に聞こえる呼び出しをやめてほしいと要望があった場合は誠実に対応する必要があるとしています。番号での呼び出しなど、院内の決まりに従います。
未経験でもクリニックの受付に応募できますか?
未経験を条件にしていない職場もあります。応募できるかどうかは各医療機関の採用ページで確かめてください。準備としては、受付の流れ(資格確認・会計・予約)を知っておき、パソコンの基本操作に慣れておくと、面接で準備を具体的に伝えられます。
次の職場は、公式採用ページから直接応募
採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。
この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。