レセプトとは?わかりやすく解説|医療事務の請求の流れと提出期限(翌月10日)
レセプトとは?わかりやすく言うと

病院やクリニックで診察を受けると、患者さんは窓口で医療費の一部(年齢などで割合が違います)を払います。残りの医療費は、医療機関が、患者さんが加入している保険の保険者(市区町村、健康保険組合など)に請求します。このとき使うのが、1か月分の診療行為をまとめた診療報酬明細書(レセプト)です[1]。薬局の場合は調剤報酬明細書になります。
レセプトには、診察・検査・処置・薬などの項目ごとに点数が書かれます。診療報酬は点数で決まっていて、保険医療機関の費用は「一点の単価を十円」として計算されます(診療報酬の算定方法、平成20年厚生労働省告示第59号)[2]。
レセプトはどこに提出する?審査支払機関とは
医療機関が多くの保険者にばらばらに請求すると、双方の事務が大変になります。そこで保険者は、審査と支払の業務を審査支払機関に任せています。医療機関は保険者に直接ではなく、都道府県ごとにある審査支払機関に請求します[1]。
| 審査支払機関 | 主に扱う保険 |
|---|---|
| 国民健康保険団体連合会(国保連) | 国民健康保険(市区町村・国保組合)、後期高齢者医療 |
| 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構(DX審査支払機構。旧 社会保険診療報酬支払基金) | 協会けんぽ・健康保険組合などの健康保険、船員保険、共済組合など |
このほか、生活保護などの公費負担医療は、自治体が両方の機関に審査・支払を委託しています[1][3]。
支払基金の名前が変わった?
変わりました。社会保険診療報酬支払基金は、「医療法等の一部を改正する法律」(令和7年12月に成立・公布)により改組され、2026年10月1日に「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」になりました。略称は「DX審査支払機構」です[4]。
- 審査支払の業務は続いています。これに加えて、医療DXの施策を進める役割も担います
- 機構の案内では、レセプトなどの提出先、電話番号、地方拠点の住所は変わっていません
- 医療機関側は、オンライン請求システムの再セットアップが必要とされています(期限は令和9年3月末)
医療事務の教材や古い解説では「支払基金」の名前で書かれていることが多いので、同じ機関だと覚えておくと混乱しません。
レセプトの提出期限はいつ?
各月分を翌月10日までに請求しなければなりません。法令では「療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令」第2条に定められています[5]。たとえば10月1日〜31日の診療分は、11月10日までに提出します。
オンライン請求とは?紙ではだめ?

同じ命令の第1条で、請求は原則として電子情報処理組織を使って行うこととされています。医療機関のコンピュータと審査支払機関のコンピュータを通信回線でつなぎ、レセプトのデータを送る方法です。データが審査支払機関のファイルに記録された時に、請求が届いたものとみなされます(第2条第2項)[5]。
例外として、命令の附則には、通信回線の障害、システム導入の作業が終わっていない場合、改築工事中、廃止・休止の予定がある場合などに、あらかじめ審査支払機関に届け出て、光ディスクや書面で請求できる場合が定められています[5]。
請求から入金までの流れは?
DX審査支払機構が説明している流れは、次のとおりです[6]。
- 受付 — 医療機関が、電子レセプトをオンラインで診療月の翌月10日までに提出
- 事務点検 — コンピュータで、記載事項・点数の誤り、保険診療のルールに合っているか、病名と薬の関係などを確認
- 審査 — 審査委員会が、療養担当規則や診療報酬点数表に照らして審査。適切でないと判断された分は査定(減点)、判断が難しいものや資料が足りないものは返戻(医療機関に戻して再提出を求める)
- 増減点の連絡 — 点数が増減した場合は、増減点連絡書で医療機関に知らせる
- 保険者への請求 — 診療月の翌々月10日までに保険者へ請求し、保険者は同じ月の20日までに払い込む
- 医療機関への支払 — 診療月の翌々月の原則21日までに、医療機関の口座へ振り込む
医療機関は、減点されたレセプトについて再審査を求めることができます。保険者も、加入者の資格や診療内容に疑問がある場合は再審査などを請求できます[6]。国保連にも審査委員会があり、レセプトの受付から支払まで同じようにコンピュータで処理しています[1]。
医療事務の仕事とレセプトはどう関係する?
レセプトは医療機関の収入に直結する書類で、医療事務の仕事の多くがつながっています。
- 受付 — マイナ保険証や資格確認書で、患者さんの保険の資格を確認します。資格に関する誤りがあると、レセプトが医療機関に戻されて確認を求められます[6]
- 会計 — 診療内容を点数に置き換え、窓口での負担額を計算します
- 月初めの請求業務 — 1か月分のレセプトを点検し、翌月10日までに提出します
- 返戻・査定への対応 — 戻されたレセプトを直して再提出したり、増減点の内容を確認したりします
医療機関によって、どこまでを医療事務の担当者が受け持つかは違います。応募先の公式採用ページで、業務の範囲(受付・会計・レセプト)がどう書かれているかを確かめてください。
レセプトを学ぶには?

医療事務の民間試験の多くは、レセプトの作成や点検を実技として出題しています。どの試験があるか、資格がなくても応募できるかは医療事務に資格はいる?いらない?にまとめています。
採用直行便の医療事務向けページからは、地域の病院・クリニックの公式採用ページを開いて、直接応募できます。
参考資料(確認日 2026年10月22日)
- 公益社団法人国民健康保険中央会「診療報酬の審査制度」 https://www.kokuho.or.jp/inspect/inspect_rezept.html
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法」(平成20年厚生労働省告示第59号) 法令等データベース
- 厚生労働省保険局「審査支払機関の現状と課題について」(資料2) PDF
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構「令和8年10月より支払基金はDX審査支払機構となりました」 お知らせ
- 療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令(昭和51年厚生省令第36号)(e-Gov法令検索) 命令
- 医療情報基盤・診療報酬審査支払機構「診療報酬の審査・支払業務の流れ」 ページ
よくある質問
レセプトは誰が作るのですか?
保険医療機関・保険薬局が作り、審査支払機関に提出します。請求の手続きを定めた命令では、レセプトを電子的に作成できるコンピュータを「レセプトコンピュータ」と呼んでいます。
支払基金はなくなったのですか?
2026年10月1日に、社会保険診療報酬支払基金は「医療情報基盤・診療報酬審査支払機構」(略称 DX審査支払機構)に名称が変わりました。審査支払の業務は続いており、機構の案内では、レセプトの提出先や電話番号、地方拠点の住所は変わっていません。
紙のレセプトはもう使えないのですか?
請求は原則として、オンライン(電子情報処理組織)で行うこととされています。ただし、回線の障害や改築工事中など、命令の附則に定められた事情があり、あらかじめ審査支払機関に届け出た場合などには、光ディスクや書面での請求が認められています。
レセプトの提出期限はいつですか?
各月分を翌月10日までに請求しなければなりません(療養の給付及び公費負担医療に関する費用の請求に関する命令 第2条)。たとえば10月に診療した分は、11月10日までに提出します。
医療事務の未経験でもレセプトを学べますか?
学べます。医療事務の民間試験の多くは、レセプトの作成や点検を実技として出題しています。試験の違いは関連記事にまとめています。
次の職場は、公式採用ページから直接応募
採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。
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