医療事務の面接で聞かれやすい質問と答え方|未経験の回答例と「質問はありますか」の逆質問例
医療事務の面接では何を見られている?

厚生労働省は、採用選考を「応募者の適性・能力に基づいた基準」で行うよう事業主に求めており、面接でも、あらかじめ質問項目や評価基準を決め、適性と能力に関係のない事項を尋ねないよう示しています[1]。医療事務の面接で確かめたいのは、おおむね次の3つです。
- 患者さんへの対応 — 体調の悪い人や不安な人に、落ち着いて丁寧に接することができるか
- 正確さと学ぶ姿勢 — お金や個人情報を正確に扱えるか、保険や点数の決まりを覚えていけるか
- 勤務条件が合うか — 診療時間に合わせて、長く続けられる働き方か
聞かれやすい質問と、その意図・答え方は?
以下は一般的な面接でよく使われる質問と、その意図です。実際に何を聞かれるかは医療機関によって違います。
| 質問 | 質問の意図 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| 自己紹介をお願いします | 話し方や人柄を知る | 名前、これまでの仕事、医療事務を志望していることを1分程度で |
| なぜ医療事務を選んだのですか | 仕事を理解しているか | 受付・会計・レセプトのどこに関心があるかを具体的に |
| なぜ当院(この病院)を選んだのですか | 長く働いてくれそうか | 採用ページやホームページで知った診療方針・診療科・勤務時間など、その医療機関ならではの理由 |
| 前の仕事の経験をどう生かせますか | 即戦力になる部分 | 接客・レジ・電話応対・データ入力など、医療事務の業務に言い換えて |
| 医療事務の勉強はしていますか | 学ぶ意欲 | 講座や独学の内容、受験予定を具体的に。していなければ入職後の学び方を |
| 勤務できる曜日・時間を教えてください | シフトに入れるか | できること・できないことを正直に。調整できる幅があれば伝える |
| 忙しい時期の残業はできますか | 月初のレセプト時期などに対応できるか | 対応できる範囲を具体的に(「月初は○時まで可能です」など) |
| 待ち時間が長いと患者さんに言われたら | 接遇の考え方 | まず気持ちを受け止める、状況を説明する、必要なら上司や看護師に相談する、の順で |
| あなたの長所と短所は | 自己理解 | 短所は、気をつけている工夫とセットで |
| いつから勤務できますか | 入職時期の確認 | 今の職場の退職の手続きも考えた現実的な日付を |
パートで応募する場合は、勤務条件の確認が中心になりやすいです。厚生労働省が事業主向けに示した資料には、面接時の質問例として、時期によって早朝出勤や残業をお願いする場合の対応の可否や、パートの人に「扶養の範囲内での勤務などは必要ありますか?」と尋ねる例が載っています[2]。自分の希望を事前に整理しておきましょう。
答え方はどう組み立てる?
質問に答えるときは、次の4つの順番を意識すると、短くても伝わりやすくなります。
- 結論 — 聞かれたことに一言で答える
- 理由 — なぜそう考えるか
- 具体例 — これまでの経験から一つ
- 入職後どうするか — その経験を医療事務でどう生かすか
回答例(書き方の見本)

以下は組み立て方を示すための見本です。そのまま使わず、自分の経験と応募先の情報に置き換えてください。
「なぜ医療事務を選んだのですか」(未経験の場合)
患者さんが最初と最後に接する窓口で、安心して受診していただける対応をしたいと考えたからです。 前職では○年間、販売の仕事で接客とレジを担当し、お客様の話を最後まで聞くことと、お金を正確に扱うことを心がけてきました。 この経験は受付と会計で生かせると考えています。現在、保険の仕組みとレセプトについて勉強しており、入職後も業務を覚えながら学び続けたいと考えています。
「前の仕事の経験をどう生かせますか」(事務職からの場合)
データ入力と、入力内容の確認を正確に行う力を生かせると考えています。 前職では毎月の請求書の作成を担当し、締め切りまでに誤りなく仕上げるため、二重確認の手順を自分で決めて続けてきました。 医療事務でも、月初のレセプトの点検で、この確認の習慣を生かしたいと考えています。
「勤務できる曜日・時間を教えてください」(パートの場合)
月曜日から金曜日の午前中、8時30分から13時まで勤務できます。 子どもの学校行事などで休みをいただく日は、前もってお伝えし、ほかの曜日と調整できるようにします。 月初の忙しい時期は、事前に分かっていれば14時ごろまでの勤務も可能です。
未経験の人は何を準備すればいい?
- 採用ページを読み込む — 診療科、診療時間、受付スタッフに求めること、業務の範囲、研修の説明。「なぜ当院か」の材料になります
- 経験を言い換えておく — 接客 → 患者さんの対応、レジ → 会計、データ入力 → レセプトの入力と点検、電話受付 → 予約や問い合わせの対応
- 勉強していることを具体的に — 講座名や受験予定、独学で使っている教材など。資格の選び方は医療事務に資格はいる?いらない?にまとめています
- 働ける条件を整理する — 曜日・時間帯・残業の可否・入職できる日
志望動機の組み立て方と例文は医療事務・クリニック受付の志望動機の書き方にまとめています。
「何か質問はありますか」には何を聞く?
逆質問は、働き始めた後の様子を知る機会です。採用ページに書いてあることをそのまま聞くのは避け、書かれていないことを聞きましょう。以下は質問の見本です。
- 「入職後は、どの業務から担当することになりますか」
- 「未経験の方には、どなたがどのように教えてくださるのでしょうか」
- 「受付と会計、レセプトは、担当を分けていますか、それとも皆さんで分担していますか」
- 「混み合う時間帯や曜日はありますか。その時間はどのように分担していますか」
- 「入職までに勉強しておくとよいことがあれば教えてください」
勤務時間や休日など、条件に関わることで採用ページに書かれていない点は、この場で確認しておくと入職後のずれを防げます。「特にありません」で終えるより、一つは質問を用意しておくと、関心の高さが伝わります。
面接で聞かれないはずの質問はある?
厚生労働省は、次のような本人の適性・能力と関係のない事項を応募書類に書かせたり面接で尋ねたりすることは、就職差別につながるおそれがあるとして、事業主に配慮を求めています[1]。
- 本籍・出生地に関すること
- 家族に関すること(職業、続柄、健康、学歴、収入など)
- 住宅状況や生活環境・家庭環境に関すること
- 宗教、支持政党、人生観、尊敬する人物、愛読書など思想・信条に関すること
もし聞かれて答えにくいときは、「仕事に関係することでしたらお答えします」と落ち着いて伝えて構いません。
面接当日の流れと持ち物は?

- 時間 — 受付は診療中のことがあります。早く着きすぎないよう、約束の5〜10分前を目安に到着し、受付で名前と面接に来たことを伝えます
- 持ち物 — 指示された書類(履歴書など)、筆記用具、メモ帳、採用ページを印刷したものや自分のメモ
- 服装 — 指定がなければ、清潔感のある落ち着いた服装
- 待合室での振る舞い — 患者さんがいる場所です。静かに待ちましょう
応募メールの書き方は医療事務の直接応募ガイドに例文があります。
参考資料(確認日 2026年10月22日)
- 厚生労働省「公正な採用選考の基本」 https://www.mhlw.go.jp/www2/topics/topics/saiyo/saiyo1.htm
- 厚生労働省「新たな履歴書の様式例の作成について」(事業主向け資料。面接時に確認する際の質問例を含む) PDF
よくある質問
未経験だと面接で不利になりますか?
未経験可で募集している医療機関もあり、経験だけで決まるものではありません。前の仕事で身につけた接客・正確な事務作業・パソコン操作を医療事務でどう生かすか、入職後にどう学ぶかを具体的に話せるように準備しておきましょう。
「何か質問はありますか」と聞かれたら、何を聞けばいいですか?
担当する業務の範囲、未経験者への教え方、入職までに勉強しておくとよいことなど、働き始めた後の様子が分かる質問がおすすめです。採用ページに書いてあることをそのまま聞くのは避けます。
パートの面接では何を聞かれやすいですか?
勤務できる曜日・時間帯、繁忙期の残業に対応できるか、いつから働けるかなど、勤務条件の確認が中心になりやすいです。厚生労働省の資料にも、パートの人に扶養の範囲内での勤務を希望するか確認する質問例が載っています。
家族のことや本籍を聞かれたらどうすればいいですか?
厚生労働省は、本籍・家族・思想信条など仕事の適性や能力と関係のない事項を面接で尋ねないよう、事業主に求めています。答えにくい質問をされた場合は、仕事に関係することなら答えると伝えても構いません。
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