看護師の職務経歴書の書き方|書く項目(配属・病床数・手技・委員会)と見本・注意点

公開 2026年10月31日・最終更新 2026年10月31日

結論:看護師の職務経歴書は、履歴書の職歴欄では書ききれない「どこで、どんな患者さんに、何をしてきたか」を伝える書類です。①職務要約、②勤務先ごとの経歴(施設の種類・病床数・配属・期間・雇用形態)、③業務内容と手技、④役割(リーダー・プリセプター・委員会)、⑤資格・研修、⑥自己PRの順に、A4で1〜2枚にまとめます。患者さんが特定できる情報や、前の職場の内部資料の内容は書きません。

看護師の転職で職務経歴書は必要?いつ求められる?

ノートパソコンで書類を作る

職務経歴書を求めるかどうかは、医療機関ごとに違います。履歴書だけでよいところもあれば、履歴書とあわせて職務経歴書の提出を求めるところもあります。まず、応募先の採用ページの応募方法を確認してください。

ハローワークインターネットサービスは、職務経歴書を、履歴書だけでは伝えきれない具体的な経歴や意欲を伝えるための書類と説明し、書き方の手引きと記載例を公開しています[1]。提出を求められていなくても、次のような場合は添えると経験が伝わりやすくなります。

  • 病棟の異動が多く、履歴書の職歴欄に収まらない
  • 応募先の診療科と近い経験があり、具体的に伝えたい
  • リーダー業務や委員会、教育担当などの役割を経験している
  • ブランクがあり、離職前の経験を整理して伝えたい

履歴書と職務経歴書は何が違う?

履歴書職務経歴書
役割学歴・職歴・免許などの基本情報仕事の中身と経験の詳しい説明
様式厚生労働省の様式例や市販の用紙決まった様式はない(自分で作る)
職歴の書き方年月と勤務先・配属を1行ずつ勤務先ごとに、施設の規模・業務・役割まで
量の目安用紙の欄に収めるA4で1〜2枚程度

履歴書の免許欄や職歴欄の書き方は、別の記事で詳しく扱っているので、ここでは職務経歴書に絞って説明します。

職務経歴書には何を書く?項目の一覧

項目書くこと
職務要約看護師としての経験年数、経験した領域、得意なことを3〜4行で
職務経歴勤務先ごとに、在籍期間・施設の種類(病院/クリニックなど)・病床数・雇用形態・配属先と異動
業務内容病棟・外来の特徴(主な疾患、患者さんの年齢層)、看護方式、担当した業務
手技・経験採血・点滴・輸液ポンプの管理、検査や処置の介助、救急対応など、自分で行ってきたもの
役割リーダー業務、プリセプター(新人の指導役)、委員会(医療安全・感染対策・褥瘡など)、実習指導
資格・研修免許、認定看護師などの資格、院内外で受けた研修
自己PR経験を応募先でどう生かせるか。応募先の診療内容に結びつけて

配属・診療科・病床数はどう書けば伝わる?

病棟のナースステーション

同じ「内科病棟」でも、病院の規模や病棟の特徴で経験の中身は変わります。読む側が仕事の様子を思い浮かべられるように、次の情報を添えます。

  • 施設の規模 — 「一般病床〇床」など全体の病床数。分かれば配属病棟の病床数も
  • 病棟・外来の特徴 — 主な診療科・疾患、急性期か回復期か、手術や検査の多さ、患者さんの年齢層
  • 看護方式・勤務体制 — チームナーシングなどの看護方式、2交代・3交代、夜勤の有無
  • 期間 — 配属ごとに「20XX年4月〜20XX年3月」と書く

病床数や看護方式は、自分の勤務先の公式サイトや院内の案内で確かめて書きます。記憶があいまいな数字は「約」をつけるか、書かないほうが誤解を招きません。

手技や役割は、どう書けば具体的になる?

「さまざまな業務を経験」では伝わりません。何を、どのくらいの頻度で、どの立場で行ったかを書きます。

  • 「採血・末梢静脈路の確保(日常的に実施)」のように頻度を添える
  • 「内視鏡検査の介助(週に数回)」のように、検査・処置の種類を具体的に
  • 「日勤リーダー(20XX年〜)」「プリセプター(新人1名を担当)」のように、時期と立場を
  • 委員会は名前と、自分が担ったこと(例:「感染対策委員として手指衛生の調査を担当」)

経験していないことや、介助しかしていない手技を「実施」と書くのは避けます。入職後の業務の割り振りにかかわるため、面接で聞かれたときに説明できる範囲で書きます。

書いてはいけないこと・注意することは?

職務経歴書は、応募先の医療機関に渡り、選考に関わる人が読む書類です。経験を具体的に書くときも、次の点に注意します。

  • 患者さんが特定できる情報 — 氏名はもちろん、年齢・日付・珍しい病名などを組み合わせると個人が分かることがあります。保健師・看護師・准看護師には、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない義務があり、看護師でなくなった後も続きます(保健師助産師看護師法第42条の2)[2]
  • 病歴などの情報 — 個人情報保護法では、病歴は特に配慮が必要な「要配慮個人情報」に含まれます(第2条第3項)[3]。症例は「〇〇の術後の患者を受け持った」のように一般化して書きます
  • 前の職場の内部情報 — 院内のマニュアルや会議資料、経営に関わる数字、職員の評価などは書かない
  • 前の職場への不満 — 退職の理由を書く欄ではありません。理由を聞かれたら面接で前向きな言い方で答えます
  • 自分の個人情報 — 家族構成や健康状態など、選考に関係のないことを書く必要はありません

職務経歴書の見本(書き方の見本)

以下は、病院の病棟からクリニックの外来へ応募する場合を想定した書き方の見本です。実在の人物・医療機関ではありません。自分の経験に置き換えて使ってください。

職務要約(見本)
大学病院の内科病棟で〇年、救急外来で〇年、看護師として勤務しました。病棟では消化器疾患の患者さんの入院から退院までの看護と、日勤リーダーを担当しました。救急外来では、症状の聞き取りと緊急度の判断、検査・処置の介助を行いました。

職務経歴(見本)
20XX年4月〜20XX年3月 医療法人〇〇会 〇〇病院(一般病床 約〇床)常勤
・消化器内科・外科混合病棟(〇床)に配属。2交代制、夜勤あり
・主な業務:入退院の受け入れ、術前・術後の看護、内視鏡検査前後の観察、退院指導
・手技:採血、末梢静脈路の確保、輸液ポンプ・シリンジポンプの管理
・役割:日勤リーダー(20XX年〜)、プリセプター(新人1名)、感染対策委員

自己PR(見本)
病棟と救急外来で、短い時間で症状を聞き取り、医師に必要な情報を伝える経験を重ねてきました。貴院の外来でも、待ち時間の中で患者さんの状態の変化に気づき、診察がスムーズに進むよう支えたいと考えています。

自己PRや志望動機の組み立て方は看護師のクリニックへの志望動機、外来の仕事の中身は外来看護師の仕事内容も参考にしてください。

形式・枚数・送り方は?

  • 用紙と作り方 — A4で、パソコンで作ると読みやすく、応募先ごとに直しやすい。手書きの指定があればそれに従う
  • 枚数 — 決まりはないが、1〜2枚に収めると読む側の負担が少ない
  • 日付と氏名 — 上部に作成日と氏名を書く
  • 送り方 — 採用ページの案内(郵送・メール・応募フォーム)に従う。メールで送る場合はPDFにすると表示が崩れにくい。メール本文の書き方はクリニックへの応募メールの書き方を参照
  • 面接の準備 — 書いた内容は面接で聞かれる前提で。よく聞かれる質問は看護師の面接でよく聞かれる質問を参照

書類ができたら、採用ページから直接応募

採用直行便では、病院・クリニックが自ら公開している採用ページを、市区町村や駅から探せます。職務経歴書が必要か、どの方法で送るかは医療機関ごとに違うので、各採用ページの応募方法を確かめてください。看護師の採用ページ一覧から探し、直接応募の流れは看護師の直接応募ガイドを参考にしてください。

参考資料(確認日 2026年10月24日・25日)

  1. ハローワークインターネットサービス「履歴書・職務経歴書の書き方」 ページ
  2. 保健師助産師看護師法 第42条の2(e-Gov法令検索) 法律
  3. 個人情報の保護に関する法律 第2条(e-Gov法令検索) 法律

よくある質問

看護師の転職で職務経歴書は必ず必要ですか?

応募先によります。応募書類として履歴書だけを求める医療機関もあれば、職務経歴書もあわせて求める医療機関もあります。採用ページの応募方法の案内を確認し、指定がなければ、経験を詳しく伝えたいときに添えると役立ちます。

職務経歴書に決まった様式はありますか?

履歴書の厚生労働省様式例のような、国が示す決まった様式はありません。ハローワークインターネットサービスが、職務経歴書の書き方の手引きと記載例を公開しています。A4の用紙に、パソコンで作ると読みやすく、修正もしやすくなります。

経験した症例を具体的に書いてもいいですか?

患者さんが特定できる形では書きません。保健師・看護師・准看護師には、業務上知り得た人の秘密を正当な理由なく漏らしてはならない義務があり、看護師でなくなった後も続きます(保健師助産師看護師法第42条の2)。経験は「〇〇の術後管理」「〇〇の患者が多い病棟」のように、疾患や看護の種類で書きます。

経験が浅く、書くことが少ない場合はどうすればいいですか?

担当した業務や受けた研修、身につけた手技を、事実のとおり具体的に書きます。件数や期間が分かる範囲で添えると、短い経験でも中身が伝わります。できないことを、できるように書くのは避けます。

次の職場は、公式採用ページから直接応募

採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。

看護師向け:都道府県から探す 地図・駅から探す 直接応募の進め方

この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。

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