看護師のクリニック志望動機の書き方|履歴書・パートで使える例文と材料の集め方
志望動機には何を書けばいい?

厚生労働省(ハローワーク)の応募書類の手引きでは、「志望の動機、アピールポイント」の欄に、次の3点を入れるよう案内しています[1]。
- 応募先を選んだ理由 — なぜそのクリニックなのか
- 自分の経験・能力 — これまでの看護経験のどこを仕事に生かせるか
- 意欲 — どんな仕事をして、どう役に立ちたいか
同じ手引きは、「学びたい」「充実感を得たい」のような自分側の希望だけでは、採用担当者へのアピールになりにくいとも書いています[1]。看護師の場合も、「勉強させてください」だけで終わらせず、今できることと、これから身につけたいことを分けて書くと伝わりやすくなります。
病院とクリニックで志望動機は変わる?

医療法では、入院施設がないか、入院できる患者が19人以下の施設を診療所、20人以上なら病院と定めています[3]。この記事では、主に診療所を「クリニック」と呼んでいます。そのため、クリニックの看護師は外来の仕事が中心になることが多く、少ない人数で採血・点滴・検査の介助・予防接種・患者さんへの説明などを幅広く担当する職場もあります。
病院からクリニックへ移る場合は、次のような点を志望動機に結びつけると、「なぜクリニックか」が自然に伝わります。
- 外来で、同じ患者さんに継続して関わりたい
- その診療科(内科、小児科、整形外科、皮膚科など)の経験を深めたい、または生かしたい
- 地域の身近な医療機関で、予防接種や健診など予防の段階から関わりたい
- 勤務時間が決まった働き方で、長く続けたい(理由の一つとして)
ただし、仕事の範囲や体制はクリニックごとに大きく違います。思い込みで書かず、次の章のように応募先の情報を確かめてから書いてください。
「なぜこのクリニックか」の材料はどこで集める?
厚生労働省の手引きでも、志望動機を書く前に、求人の内容やホームページなどで応募先をよく知ることが大切だとしています[1]。紹介会社を通さず直接応募する場合は、医療機関が自分で書いた採用ページを読めるのが強みです。次の点を読み、自分の経験や希望と重なるところを1〜2つ選びます。
- 診療科と主な患者層 — 子どもが多いか、高齢の方が多いか、専門外来があるか
- 診療方針・院長のあいさつ — どんな医療を目指しているか。共感できる一文があれば志望動機の軸になります
- 看護師の仕事内容 — 採血・点滴・内視鏡や検査の介助・予防接種・在宅医療・電話対応など
- 診療時間と休診日 — 午前午後の2部制か、土曜・日曜・夜間の診療があるか
- 教育体制・入職後の流れ — マニュアルや先輩との並走期間、ブランクのある人への支援の記載
採用直行便の看護師向けページから市区町村を選ぶと、地域の病院・クリニックの公式採用ページを一覧で開けます。診療科や、土曜・日曜・18時以降の診療、病床の有無でも絞り込めます。
履歴書の志望動機欄はどう書く?

厚生労働省が示している履歴書の様式例では、志望動機を書く欄は「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイントなど」です。給料・勤務時間・勤務地などの希望は、別の「本人希望記入欄」に書く形になっています[2]。志望動機の欄には働き方の条件を並べず、条件は本人希望記入欄に分けると読みやすくなります。
- 敬称 — 病院・医院は「貴院」と書きます。「御社」のような話し言葉は書類に使いません[1]
- 使い回さない — 応募先ごとに「選んだ理由」を書き直します。クリニック名だけ入れ替えた文章は読み手に伝わります
- 面接と同じ内容に — 志望動機は面接で最もよく聞かれる項目とされています[1]。履歴書に書いたことを、自分の言葉で1分ほどで話せるようにしておきます
例文(書き方の見本)
以下は組み立て方を示すための見本で、実在の人の体験談ではありません。そのまま使わず、自分の経験と応募先の採用ページに書かれた情報に置き換えてください。
病棟経験者が内科クリニックへ応募する場合
これまで○年間、総合病院の内科病棟で勤務し、糖尿病や高血圧の患者さんの退院指導を多く担当してきました。退院後の生活を外来で継続して支える看護に関わりたいと考え、クリニックへの転職を決めました。 貴院の採用ページで、生活習慣病の患者さんへの療養相談に看護師が関わっていると知り、病棟で身につけた指導の経験を生かせると考え志望いたしました。 採血・点滴などの基本的な手技に加え、患者さんの話を丁寧に聞くことを大切にしてきました。入職後は外来の流れを早く覚え、医師やスタッフの皆さまと協力して、通いやすいクリニックづくりに貢献したいと考えています。
パートで応募する場合
子育てと両立しながら看護師の仕事を長く続けたいと考えています。貴院の採用ページで、午前のみの勤務の募集があると拝見し、平日の午前に安定して勤務できる私の状況と合うと考え応募いたしました。 前職では整形外科クリニックの外来で○年間勤務し、注射や処置の介助、リハビリ部門との連絡を担当していました。貴院も整形外科を標榜されているため、これまでの経験を生かしてすぐにお役に立てると考えています。 限られた時間の中でも、患者さんへの声かけと正確な業務を心がけてまいります。
診療科が変わる場合
外科病棟で○年間勤務し、術前術後の観察と創傷の処置を経験してまいりました。皮膚の処置に携わる中で皮膚疾患の看護に関心を持ち、皮膚科の外来で経験を積みたいと考えるようになりました。 貴院の採用ページで、皮膚科の経験がない看護師にも先輩が業務を一つずつ指導していると知り、未経験の分野でも着実に学べる環境だと感じて志望いたしました。 処置の介助や患者さんへの説明は、病棟での経験を生かせると考えています。皮膚科の知識は入職前から勉強を始め、早く一人で業務を任せていただけるよう努めます。
避けたい志望動機の書き方は?
- 条件だけ — 「夜勤がない」「家から近い」だけでは、そのクリニックを選んだ理由になりません
- 前の職場への不満 — 退職理由に不満があっても、志望動機では「これから何をしたいか」に言い換えます
- 採用ページと合わない内容 — 書かれていない業務や方針を想像で書かないようにします。分からないことは面接で質問します
- 学びたいだけ — 今できることと、入職後に身につけたいことをセットで書きます
志望動機ができたら、応募は採用ページから直接
応募先の採用ページに書かれた方法(応募フォーム・メール・電話)で直接応募します。応募メールの例文や、採用ページで確かめたいことは看護師の直接応募ガイドにまとめています。看護師の募集があるか、募集の条件は、必ず各医療機関の採用ページで確認してください。
参考資料(確認日 2026年10月22日)
- 厚生労働省(ハローワーク)「応募書類」(履歴書・職務経歴書の作り方、「志望の動機」「アピールポイント」の記載方法、応募先の敬称) PDF
- 厚生労働省 履歴書様式例 PDF/「履歴書の様式例の作成について」(令和3年4月16日 労働政策審議会安定分科会資料) PDF
- 医療法 第1条の5(病院・診療所の定義)(e-Gov法令検索) 法律
よくある質問
看護師の志望動機は何文字くらい書けばいいですか?
決まった文字数はありません。履歴書の欄に収まる長さで、「なぜそのクリニックか」「何ができるか」「どう役に立ちたいか」の3点が入っていれば十分です。欄が大きく余る、または小さな字で詰め込むよりも、読みやすさを優先してください。
パート希望の場合も志望動機は必要ですか?
必要です。勤務できる曜日・時間帯がそのクリニックの診療時間と合うことに加えて、これまでの経験をどう生かせるかを書くと、働き方の希望だけを書いた志望動機より伝わりやすくなります。勤務時間などの希望そのものは、厚生労働省の履歴書様式例では「本人希望記入欄」に書く形になっています。
「家から近い」「夜勤がない」を志望動機にしてもいいですか?
うそを書く必要はありませんが、それだけでは「どのクリニックでもよいのでは」と受け取られることがあります。通いやすさや働き方は理由の一つにとどめ、そのクリニックの診療内容や方針のどこに共感したか、自分の経験をどう生かせるかを中心に書くのがおすすめです。
クリニックの名前は「貴院」と書けばいいですか?
厚生労働省(ハローワーク)の応募書類の手引きでは、病院・医院の敬称は「貴院」とされています。「御社」のような話し言葉の敬称は書類には使わないとされ、面接では「こちらの病院」などの言い方が挙げられています。
次の職場は、公式採用ページから直接応募
採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。
この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。