院内保育所とは?看護師が院内保育のある病院で働くときの確認点と探し方
院内保育所とは?

院内保育所(病院内保育所・院内託児所とも呼ばれます)は、医療機関が職員の子どもを預かるために、敷地内や近くに設ける保育施設です。看護師をはじめ、交代勤務や早朝・夜間の勤務がある職種が働き続けられるようにする目的で置かれています。
都道府県の中には、病院内保育所の運営費を補助しているところがあります。たとえば大阪府は「看護職員をはじめとする医療従事者の離職防止及び定着の促進」を目的に、病院内保育施設の保育士などの人件費の一部を補助しています[4]。群馬県も、病院または診療所が運営する院内保育所を対象に、同様の補助を行っています[5]。
院内保育所の公的な位置づけは?
「院内保育所」という名前は同じでも、法律や制度の上では次のように分かれます。どれに当たるかで、申込み先や保育料の決まり方が変わります。
| 種類 | 根拠・位置づけ | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 事業所内保育事業(認可) | 児童福祉法第6条の3第12項。市町村の認可を受ける地域型保育事業の一つ | 原則として満3歳未満が対象(地域の事情により3歳以上も)。職員の子どもに加え、地域の子どもも預かる |
| 企業主導型保育施設 | 子ども・子育て支援法の仕事・子育て両立支援事業。国の助成を受ける。児童福祉法上は認可外保育施設 | 夜間・土日祝・短時間などに対応する施設がある。申込みは施設に直接 |
| そのほかの院内保育施設 | 認可外の事業所内保育施設 | 運営時間・対象年齢・保育料は医療機関ごとに決める |
認可の事業所内保育事業は、法律で「事業主がその雇用する労働者の監護する乳児若しくは幼児及びその他の乳児若しくは幼児を保育するために自ら設置する施設」などで行う保育と定められています[1]。職員の子どもの枠(従業員枠)と、地域の子どもの枠(地域枠)があるのが特徴です。
企業主導型保育施設は、公益財団法人児童育成協会が実施団体で、全国に約4,500施設あります。保護者向けの案内では、居住地の制限がなく、夜間・土日祝・一時預かり・短時間の利用に対応する施設があり、申込みは施設に直接行う流れとされています。従業員枠のほか、定員の最大50%まで地域の子どもを受け入れる地域枠があります[2]。
夜間保育・24時間保育はある?

ある施設とない施設があります。都道府県の病院内保育所への補助では、通常の運営費に加えて、次のような保育に加算が設けられています(大阪府・群馬県の例)[4][5]。
- 24時間保育 — 夜勤のある職員の子どもを夜間も預かる
- 病児等保育 — 子どもが病気のときに預かる
- 休日保育 — 日曜・祝日などに預かる(大阪府は日曜日、祝日、12月29日から1月3日を「休日」としています)
- 児童保育 — 小学生などを預かる
加算の区分があることは、こうした保育を行う院内保育所があることを示していますが、どの医療機関が行っているかまでは分かりません。24時間保育も「毎日」とは限らず、曜日を決めて行う施設もあります。夜勤の日に子どもを預けたいなら、夜勤のある曜日すべてに使えるか、夜間の人数に上限があるかまで確認します。
子どもが小学校に入る前なら、育児・介護休業法の「深夜業の制限」(第19条)で、午後10時〜午前5時の勤務の免除を請求できます(雇用されて1年未満の人などは対象外になる場合があります)[7]。院内保育所を使って夜勤を続けるか、夜勤を外すかは家庭の事情で選べます。夜勤のない働き方は看護師が夜勤なしで働くには?、小学校入学で変わる制度は看護師の小1の壁とは?にまとめています。
利用条件と申込みで確かめることは?
院内保育所の条件は医療機関ごとに違い、採用ページに細かく書かれていないことも多い項目です。応募前の問い合わせ、見学、面接の場で、次の点を確認します。
- 対象年齢 — 何歳から何歳まで預かるか。小学生(学童期)の預かりがあるか
- 対象になる職員 — 常勤だけか、パート・非常勤も使えるか。職種の限定があるか
- 保育の時間 — 開所時間、夜勤・遅番の日の扱い、24時間保育の曜日、休日保育の有無
- 病気のとき — 発熱時の連絡の基準、病児保育の有無
- 定員と空き — いまの空き状況、入職日から使えるか、順番待ちはあるか
- 申込みの時期と手続き — 入職前に申し込めるか、慣らし保育の期間、認可施設なら市区町村の手続きが必要か
- 費用 — 保育料、食事・おやつ代、夜間の追加料金。幼児教育・保育の無償化の対象になるか
3〜5歳の子どもについては、企業主導型保育施設は標準的な利用料が無償化の対象です。認可外の施設は、市町村の「保育の必要性の認定」を受けたうえで月額3.7万円までが対象になります(保育所などを利用できていない人が対象)[3]。どの扱いになるかは施設の種類で違うため、施設と市区町村に確認します。
採用ページではどこを見る?
院内保育所の情報は、採用ページの次のような場所に書かれていることが多くあります。
- 福利厚生・待遇の欄 — 「院内保育所あり」「託児所完備」「24時間保育」などの記載
- 働きやすさ・子育て支援のページ — 保育所の写真、開所時間、利用している職員の人数など
- 看護部のページ — 病院では、看護部のサイトに勤務体制と合わせて書かれていることがある
- 病院全体の案内 — 施設案内や病院概要の中に、保育所の場所・定員が載っていることがある
採用ページに書かれているのは、掲載した時点の情報です。定員や空きは変わるため、「院内保育所あり」と書かれていても、入職時に使えるとは限りません。気になる点は応募の前に問い合わせてかまいません。問い合わせや見学の申し込み方は職場見学の申し込み方、面接で聞きたいことの整理は看護師の面接の逆質問を参考にしてください。
院内保育所のある職場はどう探す?
院内保育所があるかどうかは、公開データからは分かりません。採用直行便では、次の方法で候補を絞り込み、各医療機関の公式採用ページで保育所の記載を確かめられます。
- 地域から探す — 看護師向けページで都道府県を選び、市区町村の一覧へ進みます。一覧では「有床」で病床のある医療機関に絞り込めます
- 駅から探す — 地図で探すで都道府県を選び、駅名を入れると、その駅から近い医療機関を地図で確かめられます。保育所への送り迎えを考えるなら、自宅の最寄り駅や通勤経路の駅で探すと比べやすくなります
- 名前で探す — 気になる病院が決まっているときは医療機関名で探すから公式採用ページへ進めます
- 同じ法人の別の施設も見る — 医療法人などが複数の施設を持っている場合、保育所を共同で使っていることもあります。法人の採用サイトで確認します
採用直行便の一覧に載っているのは、医療機関が自ら公開している採用ページへのリンクで、保育所の有無や募集の状況は載せていません。必ず各採用ページで確かめてください。直接応募の流れは看護師の直接応募ガイドにまとめています。
参考資料(確認日 2026年10月24日)
- 児童福祉法 第6条の3第12項(e-Gov法令検索) 法律
- 公益財団法人児童育成協会「企業主導型保育施設をご利用検討中の保護者様へ」 https://www.kigyounaihoiku.jp/users/こども家庭庁「仕事・子育て両立支援事業(企業主導型保育事業 等)」 ページ
- こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」 ページ
- 大阪府「病院内保育所運営費補助金」(2026年9月10日更新) ページ
- 群馬県「病院内保育所運営費補助」(2026年10月5日更新) ページ
- 全国保育サービス協会「よくあるご質問」(ベビーシッター割引券) https://bs-ticket.jp/faq/
- 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律 第19条(e-Gov法令検索) 法律
よくある質問
院内保育所とは何ですか?
病院などの医療機関が、そこで働く職員の子どもを預かるために設けている保育施設のことです。法律上の位置づけは一つではなく、市町村の認可を受けた「事業所内保育事業」、国の助成を受ける「企業主導型保育施設」(児童福祉法上は認可外保育施設)、そのほかの認可外の事業所内保育施設などがあります。
院内保育所は夜勤の日も預かってもらえますか?
施設によって違います。都道府県の病院内保育所の運営費の補助には、24時間保育・病児等保育・休日保育などの加算が設けられており(例:大阪府・群馬県)、こうした保育を行う院内保育所があります。ただし、夜勤の日に使えるか、何曜日に24時間保育をしているかは施設ごとに違うため、応募先に確認してください。
入職したらすぐに院内保育所を使えますか?
定員や空き状況、年齢の上限、雇用形態の条件によります。入職日に合わせて使えるか、申し込みはいつまでか、慣らし保育が必要かを、内定前後の確認の場で聞いておくと安心です。
院内保育所の利用料にベビーシッター割引券は使えますか?
使えません。こども家庭庁のベビーシッター割引券は、自宅での保育や、自宅と保育所などの間の送迎が対象で、自宅以外の場所での保育には使えないとされています。
次の職場は、公式採用ページから直接応募
採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。
この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。