源泉徴収票がもらえないときは?退職後1か月の期限・連絡の仕方・税務署への届出

公開 2026年11月1日・最終更新 2026年11月1日

結論:源泉徴収票は、年の途中で退職した人には退職の日以後1か月以内に交付されることになっています(所得税法第226条)。届かないときは、まず前の職場に交付を依頼し、いつ・誰に・どう頼んだかを記録します。期限を過ぎても届かなければ、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます。転職先の年末調整に間に合わなければ、確定申告で精算します。

転職した年の年末調整や確定申告の全体は転職した年の年末調整と確定申告にまとめています。この記事は、源泉徴収票がもらえない・届かないときの動き方に絞って説明します。

源泉徴収票はいつまでにもらえる?

封筒から書類を出す手元

給与を支払う人(勤務先)は、給与を受ける人ごとに源泉徴収票を2通作り、1通を税務署に出し、1通を本人に交付します。期限は翌年1月31日までですが、年の途中で退職した人については、退職の日以後1か月以内です(所得税法第226条第1項)[1]。

  • 退職金がある場合 — 「退職所得の源泉徴収票」も、退職の日以後1か月以内に交付されます(同条第2項)[1]
  • 電子で届くことがある — 本人の承諾を得て、紙の代わりに電子で提供できる決まりがあります(同条第4項)。給与明細と同じ社内システムやメールで届いていないか確かめます。本人が請求すれば紙で交付しなければなりません[1]
  • 罰則もある — 期限までに交付しなかった人には罰則の定めがあります(同法第242条第6号)[1]

源泉徴収票がもらえないのはどんなとき?

国税庁が届出書を出す前に確かめるよう挙げている点をもとにすると、次のような場合があります[3]。

  • まだ期限前 — 退職から1か月たっていない。勤務先で事務手続き中のこともあるので、しばらく待つか、交付の時期を問い合わせます
  • まだ頼んでいない — 交付を求めていないなら、まず自分で勤務先に依頼します
  • 一度受け取ってなくした — この場合は再発行の依頼になり、税務署への届出の対象ではありません。前の職場に再発行を頼みます
  • 給与ではなかった — 請負契約に基づく報酬など、雇用契約に基づく給与でない場合は、給与所得の源泉徴収票は発行されません

このほか、退職後に引っ越して郵送先が古い住所のままになっていることもあります。連絡するときに今の住所も伝えます。

前の職場にはどう連絡する?

電話をかけながらメモを取る

連絡の方法は、直接会う、電話、文書の送付のどれでもかまいません。国税庁は、後で届出をすることになったときのために、次の5点をメモ等に残すよう案内しています[3]。

  1. いつ(交付を求めた日時)
  2. どこで(交付を求めた場所)
  3. 誰に(相手方の応対者)
  4. どのような方法で(面接、電話など)
  5. どのようなやりとりをしたか(相手の回答)

記録が残る点では、メールや書面で頼むのが確実です。以下は書き方の見本です。宛先は、退職時に案内された人事・総務の担当者にします。

件名:源泉徴収票の交付のお願い(○年○月○日退職 ○○)

○○課 ご担当者様
○年○月○日付で退職いたしました○○(旧所属:○○)です。在職中はお世話になりました。
○年分の給与所得の源泉徴収票をまだ受け取っていないため、交付をお願いできますでしょうか。退職後に転居しましたので、送付先は下記の住所にお願いいたします。
〒○○○-○○○○ ○○県○○市…
お手数をおかけしますが、発送予定日をお知らせいただけますと幸いです。

送ったメールは保存し、電話で頼んだときは日時と相手の名前を控えておきます。

それでももらえないときは?源泉徴収票不交付の届出書

交付の期限(中途退職は退職後1か月)を過ぎても受け取れないときは、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます[2][3]。紙のほか、e-Tax でも提出できます[2]。

  • 添付するもの — 給与支払明細書を保存していればその写し、勤務先に交付を求めたことが分かる書類(上の5点のメモなど)[3]
  • 書く内容 — 届出者の氏名・住所・生年月日、事業主の名称・所在地・電話番号、これまでの経緯(事業主とのやり取り)、在職期間、交付されていない源泉徴収票の年分・収入金額・源泉徴収税額(1年分の合計)、給与明細書の保存の有無など[4]
  • 氏名を伝えてよいか — 様式には、届出をしたことについて事業主に氏名を告げてよいかを「はい・いいえ」で答える欄があります[4]

届出を受けた税務署は、勤務先に源泉徴収票を交付するよう行政指導を行います。ただし、行政指導には法律上の拘束力がなく、相手方の自主的な協力が前提です。国税庁は、届出の後も自分でも続けて勤務先に交付を求めるよう案内しています[3]。

転職先の年末調整に間に合わないときは?

年内に再就職した人は、転職先が前の職場の給与も合わせて年末調整をします。そのため、前の職場の源泉徴収票を転職先に出すよう求められます。源泉徴収票が手に入らず前の職場の給与を確認できないと、年末調整は行えず、本人が確定申告で所得税などを精算することになります[5]。

この場合は、本人が翌年に確定申告をして精算します。転職先の担当者には、源泉徴収票が届いていないこと、税務署に届出をしたかどうかを早めに伝えておくと、年末調整の書類の扱いを相談しやすくなります。流れは年末調整と確定申告の記事を参照してください。

確定申告では源泉徴収票をどう使う?

確定申告書には、給与所得の源泉徴収票を添付・提示する必要はありません。ただし、税務署で申告書を作成する場合は、源泉徴収票を持参するよう国税庁の手引きは案内しています[6]。

添付が不要でも、申告書には給与の支払金額や源泉徴収税額などを書くので、その金額は確認できなければなりません。源泉徴収票が手に入らないまま申告期限が近づいたときは、手元の給与明細書を持って税務署に相談してください。給与の支払者には、給与の金額などを書いた支払明細書を交付する決まりもあります(所得税法第231条)[1]。給与明細書は捨てずに保存しておくと、届出書の添付にも申告の確認にも使えます。

退職前にしておくと安心なこと

  1. 源泉徴収票の送り先(退職後の住所)と、発送の時期を人事・総務に確認する
  2. 電子で交付される職場なら、退職後も見られるか、紙でほしい場合の頼み方を聞く
  3. その年の給与明細書をすべて保存する
  4. 退職金があるなら、退職所得の源泉徴収票も届くか確認する(税金の仕組みは退職金の税金の記事へ)

退職後のほかの手続きは退職後の手続き一覧にまとめています。次の職場を探すときは、採用直行便の直接応募ガイドを参考に、病院・クリニックの公式採用ページから直接応募できます。

参考資料(確認日 2026年10月25日)

  1. 所得税法 第226条・第231条・第242条(e-Gov法令検索) 法律
  2. 国税庁「F5-4 源泉徴収票不交付の届出手続」 ページ
  3. 国税庁「『源泉徴収票不交付の届出書』を提出される前に、ご確認ください。」 PDF
  4. 国税庁「源泉徴収票不交付の届出書」(様式) PDF
  5. 国税庁 タックスアンサー「No.2674 年の中途で就職した人の年末調整」 ページ
  6. 国税庁「令和7年分 所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き — 申告書に添付・提示する書類」 ページ

よくある質問

退職後、源泉徴収票はいつまでにもらえますか?

給与の支払者は、年の途中で退職した人には、退職の日以後1か月以内に源泉徴収票を交付しなければなりません(所得税法第226条第1項)。退職金を受け取った場合の「退職所得の源泉徴収票」も、退職の日以後1か月以内です(同条第2項)。

前の職場に連絡しても源泉徴収票が届きません。

交付の期限を過ぎていれば、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を出せます。給与明細書を保存していればその写しと、勤務先に交付を求めたことが分かる書類(いつ・どこで・誰に・どの方法で・どんなやり取りをしたかのメモ等)を添付します。届出を受けた税務署は勤務先に交付するよう行政指導をしますが、法律上の拘束力はないため、自分でも引き続き交付を求めます。

一度もらった源泉徴収票をなくしました。届出書で再発行してもらえますか?

できません。国税庁は、既に交付された源泉徴収票の再発行はこの手続きの対象外としています。前の職場に再発行を依頼してください。

源泉徴収票がないと確定申告はできませんか?

確定申告書には、給与所得の源泉徴収票の添付・提示は不要とされています。ただし、申告書には給与の支払金額や源泉徴収税額などを書くので、その金額を確認できる資料は必要です。税務署で申告書を作成する場合は、源泉徴収票を持参するよう案内されています。源泉徴収票がないまま申告する方法は、税務署に相談してください。

業務委託で働いていた職場からも源泉徴収票はもらえますか?

給与所得の源泉徴収票は、雇用契約に基づく給与について交付されるものです。国税庁は、請負契約に基づく報酬など給与でない場合は、給与所得の源泉徴収票は発行されないと説明しています。

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