ベビーシッターの補助・割引券は使える?こども家庭庁の制度と夜勤・休日の使い方

公開 2026年10月28日・最終更新 2026年10月28日

結論:こども家庭庁の「ベビーシッター割引券」(企業主導型ベビーシッター利用者支援事業)は、勤務先が承認を受けて導入していれば、令和8年度は1枚2,300円、子ども1人につき1日2枚まで使えます。対象は小学3年生まで(障害のある子は小学6年生まで)で、仕事をしている時間の、自宅での保育に限られます。勤務先が導入していなくても、お住まいの自治体に独自の補助があることがあります(例:東京都の区市町村の事業)。

ベビーシッターの補助にはどんな種類がある?

ベビーシッターと遊ぶ子ども

公的なベビーシッターの補助は、大きく分けて次の2つです。条件も申込み先も違うため、分けて考えます。

種類申込み先主な条件
こども家庭庁のベビーシッター割引券勤務先(勤務先が協会に承認を受けている必要あり)仕事のための利用。対象児童は小学3年生まで(障害のある子は小学6年生まで)
自治体の補助お住まいの区市町村など自治体ごとに違う。住んでいる場所で実施しているかが前提

このほか、3〜5歳の子どもがベビーシッターを含む認可外保育施設等を使う場合、市町村から「保育の必要性の認定」を受けていれば、月額3.7万円までの利用料が幼児教育・保育の無償化の対象になります。対象は、保育所や認定こども園などを利用できていない人です[7]。

こども家庭庁のベビーシッター割引券とは?

正式には「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業」の中の「ベビーシッター派遣事業」です。子ども・子育て支援法の「仕事・子育て両立支援事業」として、働く人がベビーシッターを使ったときに、利用料金の一部または全部を助成する仕組みです。実施団体は公益社団法人全国保育サービス協会です[1][2]。

令和8年度の実施要綱(2026年4月7日一部改正)で定められている主な内容は次のとおりです[1]。

  • 割引額 — 通常分は割引券1枚あたり2,300円。双子などの多胎児のための割引券は別にあります
  • 対象の子ども — 乳幼児から小学3年生まで。身体障害者手帳や療育手帳の交付を受けている子などは小学6年生まで
  • 使える枚数 — 対象の子ども1人につき1日1回2枚まで、1家庭につき1か月24枚まで、1年間280枚まで
  • 対象のサービス — 家庭内での保育や世話と、ベビーシッターによる自宅と保育所などの間の送迎
  • 料金の条件 — 1回の利用料金が「使う枚数×2,300円」以上であること。この料金には、会費・交通費・キャンセル料・保険料は含みません
  • 使えるベビーシッター事業者 — 協会が認定した「割引券等取扱事業者」に限られます。一覧は協会の割引券ポータルサイトに掲載されています[2]
  • 有効期限 — 発行された年度の末日まで。翌年度には繰り越せません

割引券は紙ではなく、URLで発行されスマートフォンで確認する形です。利用した日の情報を割引券に入力すると、ベビーシッター事業者に提出されます[3]。

勤務先が導入していないと使えない?

使えません。割引券は、勤務先(事業主)が協会に申し込んで「承認事業主」になり、発行された割引券を従業員に渡す仕組みです。個人で直接申し込む方法はありません[1][4]。

  • 対象になる事業主 — 実施要綱では、厚生年金保険の適用事業所の事業主のほか、私立学校教職員共済や、地方公務員・国家公務員の共済組合に関係する一部の団体が挙げられています[1]
  • 勤務先の負担 — 発行には手数料がかかり、割引券1枚につき中小事業主(労働者数1,000人未満)は70円、それ以外は180円です[1]
  • 勤務先の承認の申込み — 原則として毎年4月1日から翌年2月15日まで。承認は年度ごとです[1]
  • 発行できる枚数 — 勤務先全体の労働者数に応じた年度ごとの上限があります(例:300人未満は720枚)[1]

勤務先が承認事業主かどうかは、協会のポータルサイトの承認事業主一覧でも調べられますが、確実なのは人事・総務の担当に聞くことです。転職先を選ぶときに気になる場合は、面接や内定後の確認の場で、福利厚生として導入しているかを質問できます。

医療職の夜勤・休日にも使える?

夕方の玄関で出勤の準備

割引券は仕事のための利用が対象です。使用の条件として、配偶者の就労・病気療養・求職活動などやひとり親家庭であることにより、サービスを使わなければ働くことが難しい状況にあることが定められています[1]。夜勤や休日出勤で看護師・医療事務・医師などが使うときは、次の点に気をつけます。

  • 勤務中の時間が対象 — 協会のよくある質問では、就労時間外の利用は対象外で、通勤時間は就労時間として利用できるとされています[4]。夜勤の勤務時間中や、休日の出勤時間中が対象になります
  • 夜勤明けの休息は対象外 — 夜勤明けに自宅で眠る時間は勤務時間外のため、対象外と考えられます
  • 家に大人がいる日は使えない — 両親やほかの大人との共同保育には使えず、大人が保育できない場合にのみ使えます。配偶者が産休・育休中の場合も、原則として使えません[4]
  • 勤務時間外の利用の確認 — 勤務先は、利用日時から仕事のための利用かを確認します。勤務時間外の場合は、時間外勤務命令簿などで確認するとされています[1]。残業で延びた日は、勤務先の担当者に記録の扱いを聞いておきます
  • 夜間に来てくれる事業者か — 夜間・早朝・休日に対応しているか、その時間帯の料金はどうなるかは、ベビーシッター事業者ごとに違います

なお、割引券は院内保育所や託児ルームなど、自宅以外の場所での保育には使えません[4]。院内保育所を使う場合の費用や条件は、勤務先・応募先に直接確認します。子どもが小学生になると夜勤の免除の請求ができなくなる点は、看護師の小1の壁とは?にまとめています。

自治体の補助にはどんな例がある?

自治体の補助は、実施していない地域もあり、内容も地域で違います。ここでは公式ページで確認できた東京都の例を紹介します。

東京都のベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)

一時的に保育が必要な人がベビーシッターを使うとき、区市町村が利用料の負担を軽くし、東京都がその費用の一部を補助する仕組みです。2026年10月14日更新の東京都福祉局のページでは、23区と9市2村の計34区市町村が実施しています。対象児童は原則として未就学児で、障害児は小学6年生まで、学童クラブ待機児童対策の計画を作った区市町村では小学3年生まで対象になります。使えるのは都の認定基準を満たした事業者です[5]。

具体的な条件は区市町村ごとに決まります。たとえば世田谷区は、2026年4月1日から2027年3月31日の利用分について、次のように案内しています(2026年10月8日更新のページ)[6]。

  • 対象は小学3年生まで(障害のある子は小学6年生まで)。利用日に子どもと申請者が区に住民登録していること
  • 補助の上限は1時間あたり、7時〜22時が2,500円、22時〜翌7時が3,500円
  • 利用できるのは子ども1人につき年度144時間まで(多胎児、障害児、ひとり親家庭は288時間まで)
  • 事前の申請は不要で、利用後に3か月ごとの締切までに申請する

東京都のベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)

保育所などに入れない待機児童の保護者などが、東京都の認定を受けたベビーシッター事業者を使うときの支援です。対象者として「夜間帯保育を必要とする保護者」も挙げられています。2026年9月8日更新のページでは24区市町村が実施しており、詳しい要件は区市町村ごとに決まります[8]。

ほかの道府県や市町村でも独自の補助を行っていることがあります。お住まいの市区町村の子育て支援・保育の担当課のページで「ベビーシッター」と検索するか、窓口に問い合わせてください。割引券と自治体の補助を同じ利用で組み合わせられるかは、それぞれの窓口で確認します。

補助を使う前に何を確かめればいい?

  1. 勤務先が導入しているか — 割引券を使いたいなら、まず人事・総務に承認事業主かを確認する
  2. お住まいの自治体の補助 — 実施の有無、対象年齢、時間の上限、申請の締切
  3. 事業者が対象か — 割引券なら「割引券等取扱事業者」、東京都の補助なら都の認定事業者かどうか
  4. 時間帯と料金 — 夜間・早朝・休日に来てもらえるか。入会金・年会費・交通費・キャンセル料はいくらか
  5. 勤務の記録 — 割引券では、利用した時間が勤務時間内であることを勤務先が確認するため、シフト表と利用時間を合わせて記録しておく

補助を使わずに、家事や育児を頼むなら?

補助の対象にならない場合や、家事もまとめて頼みたい場合は、家事・育児サポートのサービスを使う方法もあります。補助や割引券の対象になるかは、申し込む前に事業者に確かめてください。

家庭と両立しやすい職場を探すなら?

ベビーシッターの補助は、勤務先が割引券を導入しているかどうかで使えるかが変わります。採用直行便の看護師向けページでは、地域の病院・クリニックの公式採用ページを一覧で見られます。託児や子育てとの両立に関する記載、夜勤の有無、福利厚生は、各医療機関の採用ページで直接確かめてください。夜勤のない働き方の選択肢は看護師が夜勤なしで働くには?にまとめています。

参考資料(確認日 2026年10月24日)

  1. こども家庭庁成育局長「企業主導型ベビーシッター利用者支援事業の実施について」別添1「ベビーシッター派遣事業実施要綱」(令和5年5月11日、一部改正 令和8年4月7日。全国保育サービス協会の割引券ポータルサイト掲載) PDF
  2. 公益社団法人全国保育サービス協会「ベビーシッター派遣事業 割引券ポータルサイト」(令和8年度) https://bs-ticket.jp//「ベビーシッター派遣事業」 https://acsa.jp/htm/babysitter/
  3. 全国保育サービス協会「割引券利用者の方へ」(令和8年度) https://bs-ticket.jp/service2026/user/
  4. 全国保育サービス協会「よくあるご質問」 https://bs-ticket.jp/faq/
  5. 東京都福祉局「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」(2026年10月14日更新) ページ
  6. 世田谷区「東京都ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」(2026年10月8日更新) ページ
  7. こども家庭庁「幼児教育・保育の無償化概要」 ページ
  8. 東京都福祉局「ベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)」(2026年9月8日更新) ページ

よくある質問

ベビーシッター割引券は個人で申し込めますか?

申し込めません。割引券は、勤務先が全国保育サービス協会から「承認事業主」として承認を受け、勤務先の担当者が発行を申し込んで従業員に渡す仕組みです。勤務先が承認を受けていない場合は、まず人事・総務の担当に導入できるか相談することになります。

割引券1枚でいくら安くなりますか?

令和8年度の実施要綱では、通常分は1枚2,300円です。対象の子ども1人につき1日1回2枚まで、1家庭で1か月24枚・1年間280枚まで使えます。ただし、交通費・会費・キャンセル料・保険料を除いた純粋な保育の料金が「使う枚数×2,300円」以上であることが条件です。

夜勤明けで寝ている間にベビーシッターを頼むときも使えますか?

割引券は仕事のための利用が対象で、協会のよくある質問では、就労時間外の利用は対象外とされています(通勤時間は就労時間として扱われます)。夜勤明けで休む時間は勤務時間外になるため、対象外と考えられます。迷うときは勤務先の担当者に確認してください。

院内保育所や託児ルームの料金に割引券は使えますか?

使えません。割引券の対象は、自宅での保育や世話と、自宅と保育所などの間の送迎に限られます。協会のよくある質問でも、家庭(自宅)以外の場所での保育には使えないとされています。

割引券で安くなった分は所得になりますか?

全国保育サービス協会のよくある質問では、所得にはならないと案内しています。令和3年1月から、国や自治体の子育て支援の助成(この事業のベビーシッター利用料への助成を含む)は、所得税・個人住民税が非課税とされています。

次の職場は、公式採用ページから直接応募

採用直行便は、全国の病院・クリニックが自ら公開している公式採用ページを、市区町村・診療科・最寄り駅から探せる無料のサイトです。会員登録は要りません。紹介会社を通さずに応募すると、採用する医療機関に紹介手数料の負担がかかりません。

看護師向け:都道府県から探す 地図・駅から探す 直接応募の進め方

この記事は一般的な情報提供です。制度・料金・サービス内容は変わることがあります。手続きや申し込みの前に、必ず各機関・各社の公式情報をご確認ください。

↑